御機嫌よう!

記事を分割するという知恵を付けたお嬢様マジシャンですわよ。

ピンコードの記事とか、長すぎですわよね。

まぁあれは一つに纏めることに意義があるので仕方ないですが、普通に長いレクチャーとかも馬鹿正直にまとめて書いていたので、ダラダラ長々と書いてしまってましたの。

さて、これが投稿される頃は新歓時期も終わったころですわね。

わたくしの後輩は無事入ったのでしょうか…?

マジックを誰かに伝えていきたいとの野望がありますが、その前にわたくしは履修登録成功しているのか…?

下手したら卒業が危ういですわよ。

 

Bigger Fish By Peter Turner

というわけで続きを書いていきますの。

最初何分割になるかわかってなかったのですが、二分割で書けそうですわね。

無理そうでも無理やり納めますわ。

しかし、読んでてやはり思うこととして、PeterTurner様やっぱり賢いなぁと……。

なるほどこう持ってくるのか…とか、大胆ながら無理がないなぁとか、読むたびに感心いたしますの。

時々外れはあるものの、基本的に安心して買えるのは嬉しいですわ。

 

レビュー

A.W.A.A.P

ランダムに選ばれた観客が、ランダムに仲いい友人に電話をかけ、その場で思い浮かべた架空の本のページ数とそのページにある単語をひとつ言ってもらう。

それらがすべて予言されている。

感想

賢いですわね……。

マジック的な原理と言えば大胆なソレとほんの細かいサトルティなのですが、現象の不可能性はかなり高く、書いた通りのことが起こりますの。

気になるところがないわけではないのですが、ちゃんとカバー策も用意されていますわね。

デュアルリアリティとはかくあるべしではないでしょうか。

基本的に演技を見てて違和感を抱くような場所はありませんの。

少なくともステージ上でバレることはございませんわ。

その後話し合いされてもバレることはなく、二重の現実が交わることはありませんわ。

クロースアップやパーラーでもできなくはありませんの。

観客を使うのではなく、観客の友達を電話越しに使うという強い現象が、根本の種を覆い隠す良い組み方がされていますわ。

それに根本の原理と言いますか、サトルティが非常に好みですの。

使っていた電話はかなり古いものですが、今の物でもアンドロイドならできることを確認済みですわ。

あれ応用したら(アンドロイド限定ですが)PINコード当てにも応用できますわね。

一応iPhoneでもできなくはない…?また今度友人の携帯で試してみますわ。

気になることとして、かける相手の性別をどう設定するかとかが少し気になりますわね。

まぁどうとでもやりようはあるのでいいですが。

いくつか小さなサトルティを組み合わせてしまえば万全になりますわ。

 

これやりようによっては、電話越しに催眠開けて機密抜き出し、みたいな演技もできますわよね。

別の方法でパス抜きなりなんなりしてしまって、催眠術の実演として……?

結構やるの大変なので気軽な催眠ショーとしては見せられませんが、ステージ催眠には持って来いですわね。

個人情報などを何かで読み取って、開示をこの方法で行えばかなり不思議に出せるんじゃないかなって。

それこそ、ピックポケットしたふりして免許証見てるふりしながら相手の個人情報を開示するみたいな。

最後の締め的に催眠術との相性は良いですし、疑似ステージ催眠で効果の大きい、他の物とちょっと差がついているものを求めてる人には良いかもしれませんわ。

邪道と言われる手法が邪道じゃ無く使われている良い作品ですわね。

Mike Philips様、Felix Schellenberg様、Colin Mcleod様による追加のアイデアも書かれてますわ。

内容としては些細なことですが、サトルティとして組み合わせてみたいものでしたわね。

追加のルーティンで、A.W.A.A.Pを行う時のオープナーも書かれており、そちらはかなり大胆ながら観客全員を巻き込む当てモノでしたわね。

このルーティンでは封筒を使うのですが、ギミック有り無し両方が存在しますの。

ギミック封筒の作り方はAnnemann様の有名なものではありますが、他のマジックにも応用できますし覚えていて損はありませんわ。

 

The confirmation principle

相手の頭の中を読んでいるように見せる話術的な原理

感想

出ましたわね。PeterTurner様の原理。

Bob Principleもそうですが、説明によって変わってくるんですわ。

今回で言えば「A piece of my mind」で紹介されていたものより要素が増えてますの。

あんまりいうとバレそうなのであれですが、現象としては「相手から都合よくイエスを引き出す」「超簡易で短期な思考植え付け」といった感じでしょうか・・・?

Bob Principleに近いところはありますが、こちらはより表向きな話術といった感じですの。

ビザーマジシャン、占い師には絶対必須ですわね。

特に危険術とかではなく怪談などを用いる方には。

これ単体で使うものではないですが、話術の間に挟むことでより魅せれるといった一種のサトルティですの。

前回紹介したWish you were hereなどと組み合わせていけば、メンタリスト怪談師ができますわね。

というかそれをしたすぎますの。正直秘密にしたい……。

ただこれ、わたくしのようなニッチな市場でないと受けないと思うんですわよね。

普通のマジシャン、メンタリストが読んでも、うーん・・・となる気が……。

説明も短いし、コラム的な扱いですわ。

人によってはドはまりするかもね…といったものですし、気になる方は「A piece of my mind」のほうをお勧めしますわ。
そっちのが安いですし。

明らか短いし、たぶんあまりないですがそっちでびびっと来たら…、といった感じですかわね。

 

Seven bald keys

観客から借りた指輪を南京錠でロックする。

観客は七つあるカギのうち、南京錠を開けられるカギのみを見つけることができる。

感想

結構力業ですわね。

目隠しの使い方が、なるほど確かに、、、と思わされましたわ。

解決法はかなり直接的なのですが、それらを行う上での細かいサトルティが奇麗ですわね。

道具が必要とは言え、百均でも頑張れば手に入る範囲の物ですし、技術もそこまで難しくありませんわ。

ただこれ、とある部分が絶妙に怖いんですわよね……。違和感にならないかなと……。

ステージ前提ですが、パーラーでも可能ですの。

なにより、観客の物を借りる系で怖い「破損」「傷つき」の問題が、比較的に少ないようになっているのが嬉しいですわね。

神秘的にも見せられますし、いろんな応用が利きますわね。

というか実際Bigger Fish2には改案が乗っていますの

わたくしはぱっと思いつきませんでしたが、指輪はビザーでも使いやすいですし、何かしらストーリー付けしてやってみたいですわね。

 

Pray proceed

シャーロックホームズの話をしながら、観察力の凄さを伝えることができるメンタルマジックに適したオープナー。

感想

そのままですわね。

シャーロックホームズの観察術を語って、実はマジックで当てるのかなと思ったら普通に観察していましたわ。

何を当てるのかを言うとタネわれかねませんの。
それぐらいには素朴なマジックですわ。

というか誰でも知ってるレベルなのでマジックですらない・・・?
ステージに複数人上げるからこそマジックになっている感じですの。

三人ほど舞台にあげるマジックの前座には便利ですわね。

ステージ、もしくはある程度人間がいることが前提ですわね。

覚えて置いたらどっかでいつか使えるかもしれませんわ。

10人に1人ちょうどよい人間がいるので、そういう人がいたときに対面で占うルーティンなんかでこれを用いて情報開示をすれば、ちょっと不思議に見えますわね。

観察とか、そういった理由付けでメンタリズムをやる人にはお勧めですわね。Dai〇oとか。

わたくしはビザー目当てなのであまり使えませんわね。占いにちょうどいい人が来たら程度…?

ただそれやると逆にすごい観察上手い人と思われて神秘性薄れるからむしろマイナスかも…?

 

Get busy living or get busy dying

リビング・オア・デッドテストを行いながら、観客の個人的なことや考えを読み取っていく。

感想

大胆ですわね。

大胆ながら、かなり面白いですわ。

後々話し合われると厳しいタイプのデュアルリアリティではありますが、うまく考えられているなぁと思いますの。

ステージやパーラーなどで結構便利なものですし、覚えておくと便利そうですわ。

この大胆さは結構いろんなものに応用が利く気がしますの。

ある意味最強のフォースですわね。

起こっていることがごくごく素朴なだけに文字で読むだけでは実際どうなるのかがわかりませんの。

ただ当たりそうなので、できればステージでやってみたいですわね……。

話し合われることもなさそうですし、だとしても不思議さは担保されているのでマジックとしては成り立ちますの。

 

リビング・オア・デッドテストでの読み取りと言えば、Luke Jermay様のコネクテドが思い浮かびますが、方法としてはむしろ逆ですわね。

実用性、読み取りの深さに関してはコネクテドが強いですが、読み取り人数が二人になる、予言としても機能する点ではこちらのほうが勝っている感じですわ。

どのような演技形態で行うかで変えていくのが良さそうですわね。

個人的にはコネクテドのほうが好きですわ。

 

最初の紹介記事でも書きましたが、わたくし元々のリビング・オア・デッドテストがそんなの好きではありませんの。

死んだ奴当てたところで何が怖いんだ?といったような感想で。

ただ雰囲気を作る目的で見れば最高ですし、何らかのいわれが説明できれば良いとは思いますの。

海外では切り裂きジャックのような、殺人鬼がホラー的要素をまとって紹介されがちですが、日本ではむしろ殺された側がホラーの主役なので、当てられるという受け身な扱いで見ると違和感を感じる気が。。。?

ですのでこの手の怖さを主体としない、ビザーではないリビング・オア・デッドテストは逆に好きですわね。

 

 

PeterTurnerの考え

被験者を小道具として使うことに関して書かれています。

感想

ステージのメンタルマジックで使われる基礎的な概念についてのお話ですわね。

特にデュアルリアリティ系と相性が良いものとなっておりますわ。

デュアルリアリティというと含意が広すぎますが、観客に信用させる方法として、別の観客を使うことについてのPeterTurner様による考えですわね。たぶん皆さん知っていながら意識していない感じの。

振り返ると結構いろんなルーティンでこの考えが使われていることが分かり、デュアルリアリティ作品に特化して作りたいという人や、ステージでちょっとした嘘を混ぜたい人には重要な考えではないかな?と思いますの。

わたくし自身、Luke Jermay様よりデュアルリアリティに憧れて入ってきたデュアルリアリティキッズなので、この考えは結構参考になりましたわ。

1つ1つで言えば細かいサトルティに過ぎないのですが、こういうところにある小さな拘りこそがより良い演技につながっていくんだなと思いますわね。

 

まとめ

もっと長くなるかな?と思いきや、二部で完結いたしましたわね。

デュアルリアリティや繊細な部分も含ませながらも、いや~無理だろってなる作品が一つもないというのが、PeterTurner様の凄いところだなぁと思いますの。

買った当初と今読んだら思うことも変わりますし、値段が正規より高くてその分元とれるかと聞かれたらう~ん・・・?ではあれど、買ったことに後悔はございませんわ。

個人的な満足感は強いですわね。

早くステージで試してみたい……

 

いまでは購入が難しいので安易にお勧めはできませんが、色々と勉強になるものでしたわ!

それでは御機嫌よう。