お久しぶりですわね!
色々と忙しくて全然洋書が消化できていないお嬢様マジシャンですわ!

今日も本当ならFraser Parker関連について書く予定だったのですが、その……Fraser Parker様いっぱい書く人ですので……読むのに時間がかかるというか……
そういった理由で今回は名前が似ているthaddius barkerさんの作品を取り上げていくことになりましたわ!

一応「デュアル・リアリティ」系統の作品ですし、Fraser Parker様の作品をクレジットに乗せてますので許してくださいませ・・・。

 

prose & cons by thaddius barker

擬似催眠的な説明がされている、デュアル・リアリティ作品集ですわ。

オカルトというより、キリスト教の奇跡的な演出が見られるものですわね。

わたくしがデュアル・リアリティ知りたての頃に読んだため、当時は意味わからんと捨ててたものも多いのですが、読み直してみたら色々と感想が変っているので、初読と再読の両方踏まえて書いていきたいと思いますわ!

 

お値段は50㌦
高かったですわ……

 

レビュー

Cana

聖書にある「水をワインに変える」現象の再現。
観客を一人上げ、確かに水だと確認させたものを飲ませ、それが口の中で好きな飲み物に変わる。
一連のものが終わった後、確かに水であることが確認できる。

感想

まぁ、デュアル・リアリティだなといったものですわね。

初読の時は、「そうはならんだろ」といった感想でしたわ。
今でも若干そう思う節はありますわね。

ただ演じ方やセリフを工夫することで、ある程度の怖さは克服できると思いますわね。

実演映像みたいなのが検索したら出てくるのですが、そっちを参考にした方がイメージがつかめて実演しやすくなりますわ。

ステージ催眠現象としては良いかもしれませんわね。

わたくしはキリスト教的な奇跡のオカルトものを好んでいるわけではないため、多分演じる機会は少ないのですけども、原理としては応用の効くものなので、何かしらこういうのを軸に自分なりの演技を作りたいな~、と創作意欲は刺激されましたわ。

デュアル・リアリティの作り方が2種類あるのですが、1種類目はプロップレスで出来る分多少制限が生まれ、2種類目は紙に書かせるタイプでその分制限は少ないですわ。

関係ないのですけども、デュアル・リアリティやる人結構皆さん
「普通の観客は紙に書いただけの情報が読み取られるとは思わない」
的なことをおっしゃる(アウフヘーベンとかにも載ってた気がします)のですが、個人的にはすぐに推測される気がするんですわよね。
勿論読み取りと現象の間にワンクッション置いたりしたらそうなんでしょうけども、直接的に読み取れば推測されかねないので、使い方をなんかしか考えねばなとは思いますわ。

デュアル・リアリティとインプレッション・デバイス、およびセンターティア的な読み取りは相性がすごく良いのですけども、そういった理由からなんだかなぁとは思う次第でありますわね。
もっとうまく持っていけたら嬉しいですわ。

これに限らずですが、デュアル・リアリティなため、ステージ対応ですわね。
話し合いされるとアウトです。

MIDI

観客は、抜けたイヤホンに触れると、思い浮かべた曲が再生されるのを聞きます。

感想

自分で言うのもなんですけども、デュアル・リアリティ関連の現象を説明していると、詐欺師になった気分になりますわね……。
見てる観客と参加してる観客で現象は違いますし、上記に記しているのは基本見てる観客の目線ですわ。

これもまぁ、そうはならんだろうと思ったもので、今もそう思ってますわ。
上手くやればやれないこともないだろうけど・・・、怖いですわね・・・。

好きな曲を当てる場面があるのですが、そこでその手法使うなら、高くなってでも「Cerebro Solo」使った方が本物の奇跡が起こせますし……。いやそれだとデュアル・リアリティが出てこないので意味がないのではございますが……。

原理としてはCanaと同じであり、しいて言えば好きな曲の当て方の工夫だけなるほど、とは思ったのですが、何ともぬぐい切れないピーク感が・・・私は苦手ですわ……。

勿論ほかのセンターティア的な手法でもできますが、紙に書かせるという工程の説明がつかないのですわよね。
本質としては「好きな曲当て」ではないので、後々嘘をつかないように、的な言い訳も苦しいですし。
まぁそれらの問題はCanaも同じで、解決としては「ジャーメイズ・マインド一巻」に乗っていた複数の情報を抜く方法で、前の演技の時点で先に知っておくとか…?した方が良いかなとか思いましたわ。

同じくステージ演目ですわね。

The Placebo Effect

観客に一枚のカードを覚えてもらいますが、演者がその場で記憶をいじり、違うカードを覚えたカードと錯覚させます。
違うカードは直前まで本人が違うと言っているにもかかわらず、一瞬でそのカードが覚えたカードだと言うようになります。

感想

これは大好きですわ!!!!!

あぁぁ上手いなぁやりたいなと思うタイプのデュアル・リアリティですわね!!

多少スライトがありますが、ステージであればそこまで気にすることもなく行える範囲ですわね。
何より言葉遣いがとても良いですわ!!

上記のものと原理も違いますし、ある程度ならストリートでも通用しますわね。
話し合わされても観客にはしっかりと困惑が残りますし、説明をしっかりしていれば矛盾は生まれません。

初めてデュアル・リアリティを読む方は多分こんがらがりますが、何回も読み込めば誰でも再現できる類の良い手順ですわね。
現象が多少込み入っているため、わかりやすくするようにイエス・ノーで答えさせる、といった流れにも持ち込みやすいですし、デュアル・リアリティに触れたい初心者にお勧めな手順ですわ!

まだ試せてませんが、当サイトで公開されているレクチャーノート「Φ」に載っている忘却術手順と組み合わせると、かなりリアリティある記憶改変術を演じることが出来そうですわね。
工程としては忘れさせた後再度思い出させることになるので、無駄が増えるようにも感じますが、記憶改変の段階的な説明と言えば理由付けできますし、明らかな不可思議現象を加えることで、後にデュアル・リアリティだとバレにくくもなるのではないかなどと想像が広がりますわね!!

今ならまだ値上がりしてないはずなので、一緒に購入してはいかがでしょうか!!(ダイマ)(2021/10/29現在)

なんだかんだ読むだけ読んで実践してないものばかりなデュアル・リアリティですが、お嬢様はこれと、Fraser Parker様の「Tlue mysterys Lite」に載っている「Change of believe」、はなさんJr.様がストリートで演じていた演技などを好んでいますわね!

David

立たせた観客の足を固め、動かせないようにします。

感想

これは・・・かなり好き嫌いが分かれますわね。

ここまでくるとデュアル・リアリティとかじゃない気もしてきますわ。

人によっては不思議に感じることすらないのでは……。

 

多分、上手く雰囲気を作ったり、ボディトリックを増やしたり、スクリプトを考えれば、演出としてはありですわね。

多分私の好き嫌いなのですけども、「想像力」的なものに訴えかけるタイプのデュアル・リアリティ?と言えばよいのですかね?が苦手でございまして……。
動けないと想像してください、は、動く客がゆうに出てくると思うのですわ……。

いえ、上手くスクリプトを組めば良いのだとはわかってはいますが、暗示とまでいかないレベルのお願いを、何らかの奇術として人前でやるのに少し躊躇があると言いますか……。
協力してもらった観客は不思議に感じないでしょうし。

ただ、上手くハマらせられるなら、かなり楽に瞬間催眠のステージ演目ができますわね。

Now You Don’t

演者が観客から見えなくなり、触れたり観客の財布の中にカードを入れたりするも、観客はそれを認識しなくなる。

感想

なるほど……、といった感じの作品ですわ。

様々なトリックをデュアル・リアリティに組み合わせた感じで、スクリプトを日本語でも違和感なくすれば実演に耐えうるとは思いますわね。

ただしかなり強引ではありますわ。
「David」と同じように参加する観客の想像力とか、協力に頼るのが、なんだかなぁ……といった感じですわ。

演出としては面白いので、色々と組み合わせてみたいですわね。

個人的なことを言いますと、途中で挟まる技術的なものであまり好まないものが含まれておりましたので、わたくしが演じることは多分ないんじゃないかなと思われますわ。

ある程度距離の取ったステージでないと厳しいですわね。

Sever

新たな催眠誘導

感想

催眠に明るくないのでよくわかりませんが、新しいのか…?うん…?といった感じですわね。

マグネットフィンガーと同様に使えると書いていますが、そうかなぁ・・・?と疑問符付きで語る感じになりますわ。

やってることはASMR催眠音声と同じ構造な気がしますわ……。

試してみたら効果わかるよ!と書いてるので、やったら何かしらすごいことが起きるのやもしれませんが、少なくとも今は行う気が起きないので、また実践した時にこの記事を更新しますわね。

まとめ

全体を通して、デュアル・リアリティを使ったステージ演目、およびステージにおける擬似催眠、催眠誘導を纏めた内容でしたわね!

人によっては全然合わないな、との思いをひしひしと感じますわね。
特にマインドリーディングの手段を持たない人はお勧めできませんわ。
最低限のリーディング方は載っていますが、選択の幅が狭まりますし、ある程度の前提知識があった方が良いですわ。

途中の「The Placebo Effect」がとても好きなので買ったことに後悔はありませんが、使い勝手の良いデュアル・リアリティを求めている方にはお勧めいたしませんわね。

 

それでは御機嫌よう。