ESPカードの比較レビューをしようかと思いましたが、つい先日届いたこちらのレビューをば…

他のESPカードについては大体感想を書いているので、これを書いてから比較レビューをした方が良いかなと。

NAKED ESP BY MICHAEL MURRAY

お馴染み?Michael Murryの考案したESPカードです。※イギリスのメンタリスト。Beyond ESPの製作者でもあります。

内容

プラスチック製のESPカード。

  • ESPシンボル:5枚×2セット
  • ダブルフェイス:2枚
  • ダブルパック:1枚
  • その他:2枚
  • 解説のURLが書かれた名刺:1枚

ケースと、マークトの説明が書かれた紙は省略しています(省略できていない)。

カードについて

繰り返しになりますが、プラスチック製ですね!

バックデザインは超シンプルで、マーキングはスプレッドした状態で把握できる様になっています。

類似品

ESPionage – by Charlie Frye

解説されている現象が同じ(”Jazz Mentalism”)で、ESPカードが10枚とほぼ同じ内容です。なお、ESPionageはJazz Mentalismをベースにカードシャークがカードを作ってセットにしたとか…軽く調べただけなので正確なところは分かりません。

(ESPionageは2013年、Naked ESPは2016年に販売、Jazz Mentalismは1985年に発表)

なお、"MRI TASTE" しか見ていないので正確なことは分かりませんが、 "MRI tuning" のアウトも "Jazz Mentalism" だと思われます。少なくとも "TASTE" で解説されている手法のアウトは間違いなく "Jazz Mentalism" です。どちらもクレジットはありません。

ルーティン

解説されているルーティンは2つで、どちらもPDF形式です。商品説明にもありますが、ギャフカードの使い方に関しての解説はありません。

Jazz Mentalism by David Humphrey

原案者であるDavid Humphrey が1985年に作った手順で、Michel Murrayが許可を取ってNaked ESPの解説に使わせてもらっているそうです。

文章中に動画リンクがあって、見てみたらこれでした。

「この手の現象」みたいな書かれ方でしたが、やっていることは恐らく同じかと思います。

なお、Micheal Murrayはこの"Jazz Mentalism"を非常に気に入っており、著書"A Piece of My Mind"では次のように書いています。

My all-time favourite effect to perform with them was one titled “Jazz Mentalism”, which was created by my very good friend Dave Humphrey.

凄い、ざっくり言うと「ESPカードを使った一番のお気に入り」ですね(ここのthemは前の文中にあるESP deckのこと)。

Sweet Force of Mine 2.0 by Peter Turner

ESPカードのシンボルの一致現象をやりつつ、相手の思い浮かべた絵を読み取る感じの現象です。

個人的にピーター・ターナーのアイディアは素晴らしいと思うのですが、どうも苦手なんですよね…それで、最近その理由が分かってきたんですけど、これも私が「苦手かもしれない」分類の現象だったりします。
(実際にやってみたら印象が変わるかも知れません)

アイディアとしては非常に素晴らしいものの、ESPカードを絡める必要あるかな?と思ってしまいますね。

ESPカードの一致がまずサイコロジカルフォースですし、相手の思い浮かべた物を当てる方法もサイコロジカルよりです。不確定+不確定なのは気にならないんですけど、現象と現象のつながりが弱いと言いますか… まぁ、それでもウィッチ・ハンドしながら「兄弟が居ますね?」なんて尋ねるよりはマシなのも間違いないです。

(逆にPeter Turnerの作品だと、Jedi PushやIsabella Stars,Midas touch, Liftなどは一貫性が保たれている感じがあるので気に入っています。)

まぁ、いかにも「メンタリストが好みそう」なルーティンってやつですね。

なお、マークトカードが推奨されていますが、レギュラーでもできる手順になっています。いずれにせよ100%成功するとは限らない感じですし、そこまでやるならレギュラーのほうが感覚的にもスッキリするかと。

良いところ

プラスチック製

プラスチック製なのは個人的にポイントが高いです。

環境的に道具が濡れやすい人にはおすすめです。私とか!

付属カード

ギャフカードが数枚あるので、ESPカードのルーティンを知っている人は結構使えると思います。

ESP Origins DECKの別売されているギャフカードを購入している私としては、ここもポイント高めです。

マーキング

よくやる手順だとスプレッドした状態で判別できる物が必要なので、その条件を満たしています。

シンプルなデザインのESPカードの場合、バック全面が見えてないと読み取れないものもあるので、ここは非常に実用的ですね。

解説を読まずにカードを見て、マーキングを理解するのに数十秒掛かったので、隠密性もそこそこ高いと思います。通常の動きのある使い方では露見しないはず。

追記:(2020年6月25日)

知人のマジシャンに見せた所、マーキングが一切露見しませんでした。また、研究会で出した時もマークト宣言してから1分以上は発見されなかったのでかなり優秀だと言えます。

微妙なところ

プラスチック製

プラスチック製はプラスチック製で、カードが反らないのでやや使いにくかったりします。ダレン・ブラウンみたいにカードを反らして取り易くするなどの工夫ができません。

クロースアップマットを使っている人なら特に問題にはなりません。それかテーブルクロスがあると良いのですが、環境的に…ry

一部のカードに少しバリがあるので、軽くヤスリがけしたいです。

マーキング

流石にガン見されたら露見します。シンプルデザインの宿命です… マークトデックに慣れている人であれば問題ありません。

マーキングの隠密性で言えば、"ESP Origins Deck"が今の所一番ですね。

価格

ぶっちゃけ、最初は高いと思っていました(゚∀゚)

ESPionageの1.5〜2倍近くするんじゃないですかね? ただ…内容を考えると妥当というか、むしろESPionageの方が高く感じます。

まとめ

少数枚のESPセットが欲しい人にはオススメ。

もし、ESPionageを持ってない人で、この手の現象が欲しい人は断然にこちらが良いです。解説は英語のPDFだけですが、日本のショップで変えば日本語取扱説明書とかつけてくれるみたいですし、そこまで問題にはならないはずです。

ESPionageを既に持ってる人はそこまで必要ありませんが、プラ製のESPカードが欲しい人には良いかも知れません。私は完全にカード目当てで購入しました。個人的にESPinageのデメリットは、付属するカードがPhoenixなのでトランプっぽいところだと思っていますし、その点"Naked ESP"は非常にシンプルなため使いやすいと感じています。

ギャフカードを使ったESPの手順を知ってる人にも良いですね。

この投稿を書いていて気が付きましたが、同製作者の"Beyond ESP 3"どころか、テンヨーの"ハイパーESPカード"のレビューもしてなかったようで…(「前にレビューしたリンクでも貼っておくか〜……あれ?なくね?」となりました)

次はこれらを単独レビューするか、全てまとめた比較レビューをしたいところです。

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※ アウトは "Jazz Mentalism" を想定しているため、その知識が必要になります。