今回はサイコロジカル・フォースの成功率等についてのお話です。

サイコロジカル・フォースと言っても色々有りますね…クラシック・フォースや確率を使ったフォース、メンタル・フォース等など…

今回は特に暗示を使ったタイプのフォースの成功率についてです。上で言う3つ目のタイプ。

暗示を使ったフォースの成功率

結論から先に言ってしまいますが、暗示を使ったフォースの成功率は…

「20%の人にほぼ成功するはず」です。

根拠は『The Oxford handbook of HYPNOSIS』に書かれている、過去70年の被暗示性テストの結論で、大凡20%の人は間接暗示に反応を示すそうです。

もちろん、フォースをするには他のいろいろな要因もあり、この被暗示性テストの要因とは完全に同一視出来ませんが、然るべき手順を踏んだ場合、最低でも5人に1人は通用すると言えなくもありません。

同じ人相手にやって20%成功するのではなく、20%の人に通用するってのがポイントです。この20%にも偏りはありますが、違いは暗示の許容量や方向性で、その人にあった手法であれば何回やっても成功するということです。(許容しやすい暗示は人それぞれ違うので、同時に複数の暗示を利用するってのは現代催眠的な考え方でもあります)

スタッフAの場合

例えば、ここのブログでも時々投稿をしているAは間違いなくこの20%に含まれる人で、尚且つほとんどの暗示に反応を示す希少なタイプです。

Aが相手なら単語、3桁の数字、適当なカード、動物の名前をフォースするのも難しくありません。

ホントかよ?と思う人はAに会う機会があれば試して下さい。正しい手法であれば100%近く成功しますし、多少雑でもある程度の成功率が出ます。

Dの場合

ボドゲマスターDはAと比べ暗示に対する反応は高くありませんが、条件を整え、尚且つしっかりした手順を踏めば成功します。

ただし、数字は2桁までが限界ですし、カードも数字だけあっているというケースが稀にあります。

スタッフに例外的に通用しやすい人が揃っていますが、外でやる場合だと綺麗に成功するのは5人に1人程度という印象があります。

それ以外で多いパターンは、適当なカードを思い浮かべて貰う際に、最終的には別のカードが選ばれたけど、フォースしたいカードと悩んだというケース。2桁の数字であれば、1と10の位が前後するか、2つ中1つだけが当たるケースです。

催眠との関係性

催眠に掛かりやすいタイプはメンタル・フォースに対しての反応が良いというケースが少なくありません。これは被催眠性が高い人は比較的、被暗示性も高い傾向があるためだと思われます。そのため、催眠術をやる前にちょっとしたテストしてやることもあります。

成功すれば被暗示性は高いと言えますし、成功せずとも最終的にフォースしたいものと迷ったのであれば被暗示性がそこそこあると言えます。

コツについて

メンタル・フォースを上手く行かせるためのコツは、20%の人を如何に探せるかだと私は考えています。

ショー催眠では観ている人全員に催眠を掛ける必要はなく、2〜5%居ると言われる非常に催眠にかかりやすい人がその場にいれば最高に良い!ってのに似ています。そして観客の数が多いほど適正を持った人が見つかる確率も上がります。

これは、あくまで確率なので、その場にいた観客の5人全員が同じカードを思い浮かべていた、なんてことは普通に起こりますし、20人いるのに誰もフォース・カードを思い浮かべなかったということも普通に起きます。

観客の数がより多ければ事故は減るので、観客数が多いほうが気が楽だったりします。

なお、成功させるための最低条件として、その20%の人に通じる方法が取られている、というのは言うまでも無いことですね。通じやすい20%の人だからと言って全員に同じ方法が通用するわけではなく、その人に適した方法と言うものが必要になります。この辺も催眠や暗示の話が関わってきて長くなるので省略します…(^ρ^)

自分の場合

私の場合は周囲に被暗示性の異なる人が揃っているので、色々試せたのがかなり大きいです。特に極端に被暗示性が高い人は稀少です。

とりあえずスタッフAに試せば使えない手法を排除出来ます。それからスタッフDや時々遊びに来る人に試し手順を洗練させ、実践で使ってみて成功率が20%を超えたら使える手法だとカウントしています。

統計的な意義が出るほど母数は多くは無いものの、最初の数名で全く使えない手法を排除出来るのは間違いなく良い環境です。

どれくらい使うか

メンタル・フォースは個人的な趣味も相まって、ことある毎にやっていますが、全く信頼していません(^ρ^)

どちらかと言うとより堅実なサイコロジカル・フォースを使うほうが好みです。

特に現物の中から取らせるタイプのサイコロジカル・フォース(クラシック・フォース等)は確率的にはかなり高くなります。

実際にカードを抜き取るという動作は、心理的ではありますが暗示的な要素はありませんし、物理的な要素も関係してくるので、より相手の動きをコントロールしやすくなるからです。(強いて言うなら直接暗示の要素があります。直接暗示の反応率は55%前後と言われています)

サイコロジカル・フォースと某ルーティン

クラシック・フォースなら初対面の人相手ならよほどの例外がない限り100%成功しますし、最近話題のMRI tuningも暗示というよりはNLP的な要素(ラポール、ペーシング、ミラーリング、リーディング等)が強いので、やはり成功率を上げやすいタイプと言えます。

ちなみに、Birdieさん曰く「ほぼ失敗しない」とのことですが、内容を聞いた限りではお店で撮影していた様なので、その影響が強いだろうなとは感じました。

というのも、わざわざ店にまで足を運ぶお客さんは、既にラポールが築かれていてる状態で、無意識にペーシングし易い状態になっているからです。私がオフィスで個別に催眠をやって未だに失敗したことが無いのも同じ理由だと考えられます。

待ち構えている側は相手をリードしやすいという利点があります。(巌流島の戦いではその優位性を覆すための工夫を宮本武蔵がしていますね)

恐らくですが、マジシャンだと認識されていない人が、その辺の集まりに行って、急にやり始めても成功率はそこまで上がらないはずです。既にメンタル系に手を出している人であればそう難しいことではありませんが、慣れていない人であれば結構厳しいのではないかと…

現物を選ばせるフォースであろうと、メンタリティ・セレクション(心の中の選択)のフォースであろうと、大事なのは態度とアウトで、この2つも成功率に関わってきます。

態度は自然に身に付くこともありますが、自分から意識することでより早く身につけることが出来ますし、アウトがあるという安心感は態度に影響を与えるので、無いよりはあったほうが心情的にやりやすくなります。そういう意味でも、MRI tuningはアウトが優秀と聞きますし、良いんじゃないですかね?

暗示ではありませんが、クラシック・フォースよりも心理的で正にサイコロジカル・フォースと言った感じです。

まぁ、私は見ていないので具体的なことは知りませんがね!既に見たという月ノ風氏か、今度買うと言っていたCT君がそのうち感想を書いてくれると信じています!(雑)


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