昨日発売されたリアル・コインマジックが早速届いたので、簡単な感想を書きます。

コインマジック門外漢の私でも、コインをやってみようと思いましたし、届いてから練習を始めて、既に知人相手に試したやつも幾つかあります。

日頃から「コインマジックって見てて疲れる」とか「コインマジックは不思議に見えない」なんて言ってる人から、かなり良いリアクションを引き出せたので、今までのコインマジックとはかなり毛色が違っているように感じました。

ということで、以下感想です。

リアル・コインマジック

ベンジャミン・アールによるコインマジックのレクチャーDVD。

コインマジックを、リアルに行う

私自身、コインマジックはあまり不思議に見えないことが多く敬遠していたタイプですが、このテーマに惹かれて購入を決めました。

テクニック単品の解説というよりは、動きの説得力とか演出についての話がメインです。

そしてですね…英語苦手な人は字幕無いと死亡しますよ…これ…/(^o^)\
英語版しか持っていない人で、英語があまり聞き取れなかった人は、日本語字幕版を見ることをオススメします。

字幕は字幕で、日本語ばかりを見ていると動作を見落とすのでちょっとしたジレンマがありますが、内容が理解出来ないよりは100倍マシです。もし見落としたら何回でも分かるまで再生すれば良いんですよ!

プライマリー・ムーブメント

本人曰く「誰もやらないほどシンプル」

私としては…「その動きを自然にやる時点で難しいわっ!

知人に見せたら普通に不思議に見えたとのことなので、動きそのものが難しいわけではなく、心理的に難しいだけだった、ってのがより正確ですね。

コインではやったことがありませんでしたが、他の素材で似たような動きをしていたので、慣れていたのかも知れません。

スライディーニ・サトルティ

両手の裏表を見せることができるサトルティを、プライマリー・ムーブメントにどう組み込んでいるかの話。

そこまで関係なさそうなムーブなのですが、原理的に似たような感じですよ〜的な解説。

SDSバニッシュ

知人がたまにやるコインマジックに似ているなぁ…というのが最初の感想です。それの錯覚が強い版と言いますか…恐らく私が誰を指して言ってるのか分からないと思うので、全く伝わりませんね!

1対1でやる環境に特化したコインバニッシュです。

こちらもやるには少し怖い技法が使われています。カップ&ボールで使われる動きと似た感じのがありますし、パームに対する技術的要求値が高くないので、数時間練習すれば人に見せられる様になると思います。

1対1用に作られているとは言え、意外と角度的に強く、演技力次第では囲まれていても不思議に見える可能性があります。

ポイントは想像力と演技力!(雑)

フェイクトス

「大抵の人は大げさすぎる」
「投げたふりをするだけでいいのに」

ベンジャミン・アール

フェイクトスについて、ベンジャミン・アールのコツが解説されています。ポイントは、自然さへの追求、と言ったところです。

SDSバニッシュまでは、練習して動作を確認してから、知人に見せました。

コインマジック面白くない、と言ってる人が非常に不思議がっていたので、かなり良いルーティンだと思います。そういう動きになれている人であれば直ぐにできますし、演者負担もそう高くありません。

メタル・スイッチ

方法が2種類あって、観客のタイプに合わせて使い分けるべきだと言っていますが、見分け方については「見て分かる」と、かなり経験に頼った方法となっています。

こちらも随分とシンプルですが、最初2つに比べたらテクニカルになっています。

この辺から練習している時間が無かったので、実演はまだしていません/(^o^)\

パターン1

観客の順応性が高いパターン。

相手によっては怖くてできない方法が取られています。

ベンジャミン・アールは以前に『スキン』でも大胆なスイッチを行っているので、彼としては見極めが簡単かもしれませんが、これは実際にやってみないとどうなるか分かりません。

パターン2

パターン1に比べて少しだけ技術的難易度が上がります。

こちらもなんだかだで相手を選ぶような気がしますね…

スイッチ方法は流れで決めるべき云々ということで、パームスイッチなども出てきました。

某ギミックを使っていた関係でパームスイッチだけは真面目に練習していたので、何とかできそうな予感があります(適当)

もっとコインに慣れている人であれば、かなり楽にできるはず?

ポケット・タイムマシン

「無」という概念が云々という体裁から始まるコインマジック。

コインマジックに意味合いをもたせることで、不思議さを演出しています(多分)

「従来の消失現象に対する考え方を変えた」

ベンジャミン・アール

ある動きを隠すための動作を自然に見せる演出になっているので、前のルーティンで既に使われた同じ技法をより楽にできるようになっています(実際にはやってないので、そんな気がしているだけですが…/(^o^)\)。

これはちょっと面白そうなので、今日知人に会う時に試してみたいですね!

ストーリーマジックはあまり好みではありませんが、このスタイルは許容範囲です。
ストーリーというよりは、薀蓄と実験と言った雰囲気です。

H.I.P.S.スイッチ

Hiding In Playing Siteの略でH.I.P.S.

スイッチを目の前でやっているのに、スイッチだと気が付かれない方法です。

ノータッチ・スイッチ

古典的な手法の錯覚を強める方法について。ベンジャミン・アール曰く、シャトルパスより好き。

スイッチはどちらも、ギミックや他ルーティンとの接続に使い勝手が良さそうなタイプです。

まとめ

ガチガチにコインマジックをやっている人には向かない内容だと思いました。
技術的に変態的な技量がいるようなものは全くありませんし、技術的難易度を高めることに心血を注いでいる人向けではありません。

使っている技法的にハーフダラーなどである必要性は全くなく、借りてきた日本円硬貨でも問題なくできます。
(ベンジャミン・アールも10ペンスや50ペンス等一般的に流通しているコインを使っていますし、借りたコインでも良いと言ってますね)

流れのあるルーティンではなく単発ネタのため、カジュアルな雰囲気で「ちょっとなにかやってよ」と言われた時に使えるタイプです。しかもちゃんと不思議に。逆にかっちりとしたコインマジックに組み込むには少し扱いにくいかも知れません。

また、技術的な難易度はそう高くありませんが、1つの技法で成り立っているので、練習不足でフラッシュすると手に負えない状況に陥ります。
他のコインマジックと違って、連続で現象が起きるわけでもないのでリカバリーは全くできません。

最初にベンジャミン・アールが言ってましたが、必ず練習するべきです。そして、練習したとしても、人によっては心理的にやり難い可能性もあったりします。この辺は好みですね。

私としては、最近ちょっと欲しかった、「カジュアルにレギュラーコインでやれるルーティン」だったので非常に満足しています。

追記(2018年7月1日)

なんだかんだで数名相手に全部のルーティンを試したところ、どれも反応は良かったです。普段コインマジックをやらない身としては、メタル・スイッチがやや厳しかったのですが、特に問題なくやれました。ポケット・タイムマシンに関しては、もう少しセリフをいじる必要性を感じました…

どのルーティンも、ちょっとした合間の時間で、軽くサッと見せるのにちょうど良いですね。