私はマジシャンではないため、マジックを演じる際の技術による限界や緊張度合いによるパニックを知りません。

故に、今回はかなり不躾な話題です。

マジックを見る際に気になることがいくつかあるという話です。

 

 

まず、パケットトリックの時のカウント。

明らかに見てわかる数枚のカードを一枚一枚数えるのは、お札を数えるというような普段から見かける行動なので、多少気になる程度だとしても「何かをしている感」があります。

すごく気になる!

そういう手順だから仕方がないのかもしれませんが、すごく気になります。今何かしたんでしょ?と思います。

 

だったら「今ここに52枚のデックが」というようにフルデックを使う時も、同じ手順、同じ手つきで数を数えた方が違和感はないです。クドい印象にはなるかと思いますが…。

 

 

 

次にカードをぴっちりそろえる人。

机に置いたときに必ずデックの対角を親指と人差し指か中指かでスッとそろえる動きと、左手にデックを持っているときに右手でデックのフチを何度も擦りずっと揃えている動き。

気になる!どうしてそこまできっちり揃えないといけないのか!

 

個人的に、デックに触っている時間が長いほど怪しく見える印象があるので、持っているときは片手でできるだけフラットに、そもそも持つ必要が無いときは置いておく。置くときはポーンと置いてめくるだけ、とかの方が好きです。

 

 

 

そして一番気になるのが演じる前に保険をかける人。

「慣れてなくて」「たまーに失敗する」「今練習中」「自信があまりないけど」といったセリフ。

じゃあ見せないで!別のやって!!

ネガティブな言葉は演者にマイナスな印象を確実に持ちます。じゃあなんでそれをやるの?という疑問も持ちます。

いいことが全くないので、いまだになぜ先に保険をかけるのかが分かりません。

 

「初心者だからそれしか見せられないし」という人も居るかもしれませんが、ネガティブなセリフを使わない方が良いと思います。

初心者だから…という話もできるだけしない方が良さそうです。

 

以前に初心者の人が10人ほどの前で演じるのを見る機会がありましたが、「初心者なので大目に見てください」というセリフを受けた観客は、幼稚園での出し物を見守る保護者に成り代わり、その上「練習中で慣れてなくて…」というセリフを受けた観客は、お客さんとしてマジックを見るのではなく、マジシャンの成功を祈る保護者になってしまっていました。

失敗した場合には「大丈夫大丈夫!」と声をかけ、成功した場合には「よかった~!」という歓声と拍手。

無事、ショーは終了しました。

 

何がいけないのか?と思う人も居るかもしれませんが、驚くことに、その日一番集中して見たかもしれないマジシャンなのに、現象を全く覚えていないのです。

 

その人が失敗したか成功したかは覚えているのに、何をやったのか?を覚えていません。

未だに思い出せません。

 

上手くいくかどうかという点を重要視してしまうため、現象なんてどうでもよくなったということです。

 

さて、マジックをする身としてこの印象と受け止められ方はどうでしょうか?

きっと最悪なのではないかと思います。

せっかく頑張って習得した技術が、全く心に響かないどころかどうでもいいという始末。

しかも自分はすごくすごく緊張して頑張っていたのに。

 

という状況になるので、先に保険をかけることはおすすめしません。

 

 

印象についての話しかできず、解決策は提案できませんしたが、少しでも皆さんのマジックの向上に役立てればいいなと思います。