久しぶりのレビューです。
今回のレビューは1月1日〜3日の間にスクリプト・マヌーヴァのセールで買ったDVD『アンエクスペクテド 第1巻』となります。

以前から気になっていいるレクチャーでしたが、レビューを覗いた所、古典的な手法が多いという情報が目についたので、購入をためらっていました。昨年の正月セールの時もスルーをしたくらいです。

しかし、今年は思ったより欲しいものがなかったので(欲しいものは平常時と去年のセールで入手済み)、とうとう手を出したという経緯があります(最初は3本くらいしか買う予定が無かったのですが、気がついたら11本買ってました/(^o^)\)

『アンエクスペクテド 第1巻』

パッケージには『即席で演じられる良質のメンタルマジックを集めたDVD。しかもその全てがほとんど準備もいらずその場にある名詞やお札などを使って演じられます。もちろんすべて日本語で演技可能。本物の魔法と見まがう強烈なメンタルマジックを、いつでもどこでも即席で演じることができるのです!』とありますね。

先に言ってしまうと、「即席で演じられる=準備が要らない」というわけではありません。また日本語で演技可能ではありますが、1つだけ日本語では厳しい物があります(工夫すれば出来ます)。

更に言うと、字幕にちょいちょい間違いがありました。どこか覚えていませんが、銅貨と銀貨がごっちゃになってたり、木と言ってるのに、「水」となっている部分があります。もちろん、必要のないくだらないジョークは全てカットされていますが、冗長なだけなのでその判断は正しいと思います(大事な部分ではほぼ間違いが無かったと思うので、そこまで気にする要素とはなりません)

とりあえず、即席で出来るという部分は、「予め準備をしているが、即席でやっているように見える」と言ったほうが正確です。まぁ、これも実にマジシャン的なので問題はありませんね。

多少の準備でほぼあらゆる場面に対応できるので、観ている人からしたら完全な即席です。

そして、古典的な手法が多いという情報は正確でした。1巻で紹介されていたトリックはほぼすべて既知です(゚∀゚)

それでも面白かったんですけどね!

知っている手法だからこそ楽しめたと言っても過言ではありません。「その素材を選択するんだ!」とか「そういう演出も出来るね…」という感想をいだきました。

また、一部トリックではそこそこのスライトが必要なので、基礎技法が全く出来ないゼロから始める人にはやや不向きだと思います。

技法に関しての説明は割りとざっくりとしていますし、とある『セルフワーキング・マジック事典』にも載っている簡単なフォースに関しても、「みんな知っているだろう」という体で解説が始まります。

それと、字幕には反映されていませんが、かなり微妙な英国式(?)ジョークが散りばめられていますし、茶番も多めなので賛否が分かれそうです。

トリックについての感想

パッケージに書かれている順番と解説されている順番が違うのですが、ここではパッケージ順にします。

パーフェクトESP

非常にシンプルなルーティンです。

シンプルが故に、色々な人がやっているルーティンにも似ていますし、使われている技法も目新しさは全くありません。

良いところは、普通の名詞に図形を描いても出来ることですね。ESPで使われる図形以外でも、普通の絵でも出来ます。

悪いところは、人によっては苦手かもしれないとこと。一部ちょっとした技法があるのですが、それに苦手意識を持っている人はいると思います。

ただ、この技法は既にやっている人は分かるはずですが、想像よりも自然ですし、しっかり練習していれば違和感もほとんど出ません。

同じ技法を使っている人の名前で、ダレン・ブラウン、ボブ・キャシディ、ルーク・ジャーメイ等も挙がっていましたし、それくらいよく使われている方法です(ほかにジェームズ・ブラウンやベン・ブラウもやってたはず)。

良いトリックです。シンプルでいて演者負担も高くなく、練習すれば限りなくフェアに見えます。

シングル・ハンデド・ゲラー

メタルベンディングの一種で、コイン・ベンディングのルーティン。

日本の硬貨を意図的に曲げると犯罪になるので、日本円では難しいですね…そして、日本円で出来ないとインパクトがかなり薄れます。

現象的にはベンジャミン・アールのスキンとかなり近く、原理も似ています。

こちらはあくまでベンディングがメインですが、演出として暗示の要素が存在します。

良いトリックですが、日本円でやると漏れなく違法なのがネックです。

それと、若干のスライハンドが要るので、コインマジックに関する多少の基礎は必要になります。

アンダーハンド・ソーツ

3年掛けて作ったとか、とてもフェアでインパクトのあると本人たちは言っています。

良いトリックですが、フェアさはその時の状況と本人の技量にかなり左右されそうです。

簡単な準備は要りますが、割りとスライハンドの比重が高いので、ほぼ即席で出来るのが良い所です。

悪いところは、カードマジックが苦手な人は手を出しにくい技法が使われいることくらいです。

まぁ、その技法に苦手意識があるのは私なんですけどね…/(^o^)\

アウトの方法についての解説は「もっと良い方法があるだろう…」とは思いましたが、そう思うのは恐らく私だけはないはず…

良いトリックです。

フィストフル・ダラーズ

オープニングに最適…と言われているものの、登場時のシチュエーションによっては、かなり使いにくい気がします…!

これが出来る状態であれば、つかみには最適です。ちょっとやりたいですしね…(゚∀゚)

ドリンク・オン・ザ・パテオ

なんというか名称が全てを物語っています…

バーでやる機会が多い人には良いかと思います。

演出の工夫の参考にはなります。

テイク・ノート

ちょっとだけマックス・メイビンのあれを思い出しました(゚∀゚)

詳しくは言えませんが、あれです(笑)

日本でやるには少し工夫が必要ですが、同系統の中では一番使いやすいかと思います。

総評:英国メンタル勢の一員という感じ。

イギリスのメンタル率ですよ…

スクリプト・マヌーヴァの商品説明にあるように「何気ない友人同士の集まり。喫茶店や飲み会での雑談、あるいは会社や学校で一休みしているとき。」にちょうど良いと思います。

クロースアップでやるメンタルマジックですね。

演出をもう少しシフトすればガチガチのメンタリズムっぽくも出来ますが、基本的にはちょっとしたタイミングでやるというカジュアルな物です。

確かに、ほぼ古典で目新しさは全くありません。

しかし、実践的です。

マーク・スペルマン、ピーター・ナルディ

[第2巻の感想]