はいどうも月ノ風どぅえす他の曜日に出張してきましたどうもどうも

今回は!レビューじゃ!ない!!

 

今回は私が普段考えてることの一部を放出しようかなと

次回月曜日のレビューのために、私なりの演技論のようなところに先に触れておきたくてちょっとズレた曜日に投稿することにしました。

不快に思う人もいそうなのでこういう内容を書くのは心苦しさがありますけど、今後ちまちまレビューを書いていく私の事を知ってもらうためにも必要かなぁと思って公開します。

 

今回の内容は現在進行形で考えてることなので将来的には「あれ間違えてたわ」みたいなこと言い出すかもしれません。

今回のテーマとしては、「私がスライトを避ける理由」です。スライトから逃げてる理由でもいいです。(今回扱うスライトは、見せるためのスライトを指しています。シークレットムーブは別とします。)

単純に難しいからってのが凄い大きいしもうその一言で終わらせてもいいんですけど、それ以外にも細々とした部分があるんでそこについて書いてみます。これは私自身、なんでこんなにスライトから離れようとしてるんだろうって自分の中の答えを探してるところでもあります。

 

さて、スライトを避ける理由として、「大抵のスライト派マジシャン(クロースアップ)のマジックはつまらない」っていうのがあります。

……うん、別に敵を作りたいとかじゃないんですけどね。

何でそう感じるんだろうなぁって考えたことがあるんです。まぁ前提として何を面白いと感じるのかは人によるっていうのは共有しておきましょう。その上で話をさせてください。

私の感覚で、スライトの何がダメなのかを考えてみたところ、「凄い」にかわってしまうからなんだろうなと。

このあたりは実は(?)自己紹介の時にもそれらしいことを書いていたと思います。ただ、私が演じるのを好まないだけでなく、観るのも微妙(良い意味じゃない)だと思ってるのはこれが初出ですかね?これも書いてあったかな?

実際、スライトって凄いんです。見てると羨ましくて自分も出来るようになりたいなとは思うんです。その手の魅力は認めるところですけど、私がやりたい事とは違う感じがするんです。

実はジャグリングあたりも良さってよくわかってなくて、私にとってそれらパフォーマンスというものの評価基準は「流れているか」なんです。

全体の演技やその状況等を含めた「場」と調和しているかどうかってのに近いものがありますかね。美しさにも通じます。

「凄さ」っていうのは、往々にしてノイズになりやすいものだと思っています。波形で言えばいきなり飛び出るようなものです。

感情の振り子がちゃんと振れる準備が出来ていればいいんですけど、これといった溜めもなくいきなり飛び出られたら「おぉー!」と驚く反応はあっても、それが疲労にもなると考えています。むりやりそこまで持っていかれる感じ。(それが好きだという人もいるでしょうし、それだからこそ有用なタイミングというのもありますが、今は私の好みの話をしているので置いておきます)

それは、私からすれば「どうだすごいだろ!」というアピールに対して「そうだね!」って同意するものに近いんです。

近いですって書いてて思いましたけど、このあたりの感覚もちょっと説明しなきゃいけませんね……。

私は「話しかける」というものを一種の攻撃として捉えています。

簡単にいえば、返事を強要するからです。「無言は肯定とみなす」なんてもうそのものですね。勝手に話しかけて勝手に決め付けようとする。それを止めたいなら反応しなければいけない。

それは攻撃に対する防御と大差ないでしょう。

別に契約的なものに限らず、「話しかけたのに無視された」という負の印象を避けるために反応しなければいけないというのも防御的な反応だと思っています。LINEの既読スルーが悪いことであるという風潮も感じますけど、これも近いかな。

なので、反応を強要するような行動というのは、一種の攻撃で、それを受けた側は疲れるものだと思っているわけです。(刺激やストレスは悪いものばかりではないんですけどね)

凄いマジックというのは、つまりこれだと思うんです。(「成功したら拍手をお願いします」というような行動を要求するセリフも好みではないです。状況によっては使うでしょうけど)

当然話しかけるというのはコミュニケーションとして必要なので、しないというわけにはいきません。その場合は攻撃ではないという上塗りをしてやらないと、もしくはそれをそもそも意識しないで済むような運用をしてやらないといけない。

スライト派のマジシャンがそれをしてるとはあまり思えないんです。

むしろ「これから凄い事が起きますよ」「今凄い事をしましたよ」という感じで見せる印象があります。(盛り上がるタイミングが分かりやすいのは良いんですけど、そのコントロールを手に頼りすぎじゃないかなという感覚だと思います)

当然ながら各々工夫はされているでしょうけど、少なくとも私が見たことある範囲ではストレスなく見ていられるというのは僅かでした。人によっては、私が気に入らない動作を「かっこいいから」という理由でやっていたりね……。まぁスライト偏重なのはかっこよさというのも大事なポイントなのでしょうけど、だとしてもそれをどこでどう扱うかを考えて印象を変えたりはしないんです?それともそれが考えた結果です?って感じでどうも相容れない。

これはもう本当に好みの問題なので相手を貶そうというものではなく、そこに差があるねって話です。その上で認めようとか評価しようとかがあると思ってるので、もし自分のことだ!って思う人がいても気を悪くしないで下さい。(なんなら需要で言えば客側もスライトを求める人の方が多いんだろうなと思いますし、非難されるのはこちら側だろうなとさえ思っています)

シークレットムーブとしてのスライトであれば私も歓迎します。奇抜なムーブのために変な動きをしだすようなら問題ですけどね。

これはねぇ……特にコインで多く見かけるように思いますけど、演者の都合によるよく分からない動きで綺麗に消したり出したりするというのがとても気になります。

消失や出現自体は上手いし「どうやったん」って思えるのに、その体勢や消し方の理由は……?というところでもやっとする感じ。

今回はあまり掘り下げませんけど、あまり消したり出したりが多いとリンキングリングのようなつまらなさも出てくると思いますしねぇ……(リングについてもいつか話すかもしれません。「見せ方」について不満を持っているという話です)

まぁ、これで私が「演者(自分)が凄い演技をするのは嫌だな」と思ってる理由もちょっとはお伝えできたかな……?

 

さて、スライトを避けてる理由その2です。

これは単純に、不思議さ(魔法感)が損なわれるから。(私の思う不思議とはなんぞやについてはまたいつか)

いや、シークレットとしてならいいんですよ。「いつやったんだ・・!」ってくらい綺麗にできるのを目指して頂きたいです。

見せるタイプのスライトを手順に混ぜる人は大抵動きが速いです。キビキビしてるといえばかっこよさげですけど、情報を咀嚼する速度を無視して、認識できない速さで誤魔化してるような気がします。

不思議で悩むより、凄くて拍手を送りたくなる感じ。もう完全にジャグリングと同じ反応です。

最近はゆっくりやる人も増えてきてる気がしますけど、その場合はジェスチャー等で動きがうるさいってパターンが多いです。せっかく認識できる速度なのに認識しなければいけない量が多いことで現象が侵食されて殺され始めてしまう気がします。

これはまぁ、不思議さをどれくらい求めるのかによるんでしょうけど、私はどうせマジックやるなら不思議なのをやりたいなって思うんです。

技術に支えられた不思議さって、良いとは思うんですよ。その技術を身につけるために練習したのがプロで、プロだから出来るんだ!みたいなね。

それはそれでありだと思います。おぉ、なるほどそれこそプロマジシャンだ。でもそれって要は技術でしょう?って

「これは技術によって為されている」という前提があってなお凄いと思われるマジックは一つの完成系だと思います。ここに関してはまたいずれ書いてみてもいいかもしれませんね。ちょっと他の要素が絡んでくるんで今回は書ききれません。

丸山さんあたりは良い感じだと思います。あの路線はそれはそれでありじゃないかなっておもいますね。トライアンフのルービックキューブのくだりは「なるほどなぁ」って思いました。

それはさておき、技術で現象が起きていると思われることの悪いところは、「マジシャンが凄い」と思われることです。

これは賛否両論あると思います。というか賛はあまりいないかもしれません。すごいからこそいいんだろって声が聞こえてくるようですけど、もしマジシャンがすごいんだったら魔法は存在しないんじゃないかって思うんですよ。

「魔法使いだから魔法が使える」と構図としては大差ないんですけど、それが手先の技術であると思われた時点でそれは魔法じゃなくて芸なんです。いや、飛びぬけてくれるなら技術も魔法になるとは思いますよ。リチャードターナーさんのアクトは不思議すぎて打ちのめされましたし。(スライト派のマジックは一定ラインを超えたら化けると思います。殆どが超えられてないってだけで)

これはほんとにもう、何を目指すか次第でしょうね……。何を目指すかというか、客にどんな感動を持って帰ってもらいたいかかな……。

私だって別に「本物の魔法はあるんですよ!」とは言いませんよ。実際は一つの芸です。

それでも、ファンタジー的な匂いは0にしたくないんです。「非現実」をその場に作り出してこそのマジックだと思ってるんです。「凄いものをみた!素敵な時間だった!」ではなく、「魔法が存在する不思議な世界に迷い込んだ(連れて行かれた)みたいだった」を目指したい。

その為に必要だと思ってるものや模索してるものもいつかどこかで書くかもしれませんね。

この点に関してスライトを悪いとは言いません。単に私がスライトを避けてる理由です。いや、実のところ実用可能であればスライトを入れてもいいと思っています。そのスライトに技術の匂いが少なければ。

そんなものがそんなにない上に私自身が未熟なんで、そういう意味で「避けてる」ですね。まだできないって感じです。

嫌ってはいないしやりたいとも思ってるんですよ、ただ「やりたい事」には合わないんでやらないほうがいいなと思ってるってだけで。

シークレットムーブを実用レベルにするのに苦心してる程度ですからね……見せるスライトを使えるようにするなんてまだ先の話です。

 

さて……ちょっと文字数的にもこのあたりで終わりましょう。まだ書けそうなことはいくつかありそうですけどね。

将来的にまた似たことを書くかもしれないし、今回書いたことと逆の主張をするかもしれないし……いまだに悩み続ける日々です。

スライトを避けてどうやって惹き込む演技を作ればいいのかとか、どうやってファンタジーの匂いを足すのかとか、そんなことばかり考えてるともうマジックやめようかなって気になりますね!というかちょっとマジック離れしたいですね!

 

まぁここの管理人に、読者が得するの書いてよって言われてるんでね、レビューもいいみたいだけど偶には私の意見というか、悩んできた足跡を披露しようかなと。

何かしら刺激になることがあればいいんですけどねぇ……どうなんでしょうね。

私も色んな人の持論は聞いてみたいので、よければちょっと語ってみてください。

(月ノ風)