タイトルを見て、おや?と思ったあなたはきっとリピーター。

既にここに寄稿してくれている、月ノ風氏も同じレクチャーのレビューを書いています。

 

そして、そのレビューを見て気になってしまったので、私も買ってしまいました(゚∀゚)

ユージン・ゴーズ・ビザー

ユージン・バーガーによる、ビザーマジックについての…なんだろう?紹介的な映像作品!

レクチャーといえばレクチャーですが、トリックに関しては1つしか解説されていないので、正にパッケージの帯にある通り「タネを知りたいだけの人絶対買わないで下さい」といった内容でした。

月ノ風氏はかなり良かったという風でしたが、個人的には余り刺さらなかったかな…というのが感想です(毎回タイトルにレビューと付けていますが、評論ではなく感想になっているのは毎度のことですね)

ビザー・マジックについての話しや、ユージン・バーガーの考え方などは聞いていて確かに「そうですね」となりますし、アンドルッツィとの対談も良かったです。

ただ、対話が多かった分、ちゃんとしたアクト的な実演はありませんでしたし、ユージン・バーガー本人ではなく、彼が新進気鋭のビザーマジシャンとして紹介したジェイ・イングリーの実演もそこまでは刺さらなかったかなと…

どちらかというと、冗長なメンタル・マジックという印象が強かったです。

結構古い作品なので、時代的なギャップなのか、それとも文化的背景の差なのかは判断できませんが、参考には成らなかったです。(欧米では大規模なオカルトブームが何回かありましたし、イギリスでは多くの魔術結社が存在していたという背景があります)

思想全般に関して言及されていることや、注意していることなどについては良かったけど、それに対応する実演が少なすぎでした。

 

トリックの解説があったのは、ホーンテッド・デックのみです。

これについては、マジック的な演出と、ビザー的な演出についての見せ方の違いや、トリックについての細かいポイントなどの解説もされていました。

このやり方はどっかで見たなぁ…マイケル・アマーかなと思ったら、使っている原理と道具が同じだけで、マイケル・アマーの方はホーンテッド・デックではありませんでした(゚∀゚)

このやり方は割りと大胆だと感じますし、服装に若干の制限があったり(推奨されている服装があります)、座った状態の方が良かったり、幾つかの条件が揃っていたほうがやりやすそうです。

ただ、これ使っているアレを現在使われているアレにしたら、制限無く出来そうな感じもしますね(その代わりアレが抜けやすくなるので難しいかも?)

あれあれ言ってますが、タネに関わるので伏せています。

 

総評:悪くなかったけど、凄く良いということもなかった。

 

パッケージ裏の「自分の演出や表現には何かが足りない、そう感じている人はぜひこのDVDを御覧ください。」ってのも凄く正しい言い回しだと感じます。

人によっては「そんな考え方もあるのか!」となるはずです。

 

このDVDの話からは逸れますが、個人的にビザー・マジックをやってるなと思うのは、ダレン・ブラウンです。

彼はビザー専門というわけではありませんが、ステージではビザー的な演出が入るパートがありますし、かの有名なアンダーテイカーもメンタリズムというよりは、ビザー的な演出に近いです。

他にも、催眠術を組み合わせた大規模な仕掛けをする番組も、雰囲気的にはビザーです。

ユージン・バガーが古典的な、魔術的なビザ―・マジックだとしたら、ダレン・ブラウンは現代的なビザ―と言えるかもしれません。まぁ、ダレン・ブラウンはショーの前にディスクレイマーをしていますがね…

ビザー・マジックの一つの形として、演出の参考として見るのであれば、この『ユージン・ゴーズ・ビザー』は価値のある資料だと思います。