ちょいちょい言及しているせいで、『スキン』の感想をすっかり書いた気になっていました/(^o^)\

先日書いたリアルコインマジックの感想で少しだけ名前が上がったこともあり、今回書こうと思いました。

ぶっちゃけ長いです。

コインマジックについては大した知識もなく、簡単な感想に留まりましたが、暗示を使った現象なら幾らでも書くことがありますしね!(嘘)

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スキン 日本語字幕版

ベンジャミン・アールによるコインベンディングと暗示を組み合わせたルーティン。

元々は、心理学を習ったばかりのベンジャミン・アールが催眠術のパフォーマンスをする際、保険として準備していたための手順だそうです。

つまり、ベースが催眠術になっているため、好みはかなり分かれます。

メタル・ベンディング、コインベンディングは他の現象の補助として使うのが最適。ただ曲がるのは意味不明だ。

ベンジャミン・アール

ということで、暗示をマジックの現象に組み合わせた結果が、このスキン…っぽいです(多分)

もっと不気味にしたかった。観客が怖がって叫びだすくらいのね

ベンジャミン・アール

若干のビザー的要素もあるので、そちらに興味のある人にも良いかも知れません

マジック?催眠術?

Amazonのレビューでは以下のような感想がありました。

これは、手品ではなくて、暗示ショー。出来る人は限られているだろう。マジシャンがこのネタをやってお金取れるのか?無理じゃないか?でも、知的好奇心で、「こういう事が出来るんだ。へー」という感じではあります。

手品がスライハンドやギミックだけで成り立っている、と考える人には受け入れ難い内容なのは間違いありませんが、私としてはこれも立派に手品の範疇だと思っています。

ルーク・ジャーメイの初期作品も大体が暗示モノですし、イギリスはダレン・ブラウンの影響もあり暗示を使った現象が市民権を得ています。

個人的に好きなマジシャンがほぼイギリス勢ということもあり、慣れているためか、そこまで「手品じゃない!」という感覚はありません。

 

他のサイトのレビューで次のようなものがありました(抜粋)

…催眠のようなものです。手をかためるとかよりレベルの高い。催眠が好きな方は楽しめると思います。…

「催眠のようなもの」ではなくて、「催眠+マジック」です。

なお、「手をかためるよりレベルの高い」ってのは正確とは言えません。スキンで行われている催眠要素は、手を固めるより遥かに簡単です。

古典催眠やショー催眠しか知らな人が多数である影響か、催眠術の第一段階がカタレプシー(硬直)だと思われていますが、硬直系の暗示は意外と入る人が少なく、本当に催眠術を掛けようと思うならカタレプシーを第一段階にするのは非常に効率が悪いです。

被催眠性には4つのサブスケールがあり、その中で硬直など運動が制限されれる暗示は3番目の反応率となっています。4つある中の3番目です。

つまり、硬直が入る人はそのまま他の暗示にも掛かりやすいため、硬直が起こりやすいから第一段階だったのではなく、スクリーニングとして使えるからこその第一選択だったと言えます。
(詳しくは過去の投稿を参照下さい−『催眠でよく使われている事と現代的アプローチ』)

 

そして、『スキン』では、最も反応率の良い暗示がメインとなっているため、硬直よりも簡単に現象が起きます。
もちろん、反応率が高いだけで100%の人に通用するわけではなく、そういった人に遭遇してしまったときの対応、コインのベンディング現象が保険(アウト)となります。

更に言うと、これは完全な催眠術ではなく、疑似催眠や錯覚的な要素があるため、催眠に掛かりにく人でも、余程ひねくれた観客ではない限りは、何らかのリアクションを得ることができます。

最終的にコインベンディング+αのマジック的現象もあるので、保険が二重にかけられています。

必要なもの

まぁ、コインですね…それ以外は要りません。

ただ…日本円で同じことをやるとタイーホされるので、外貨でやるしかありません。問題は、本来は相手から借りたコインでやるという流れなので、外貨でやる場合それが成立せず、不思議度は下がります。

暗示部分が上手くいけば問題ありませんが、失敗したときのアウトが弱くなる、成功しても最終的な現象の印象が弱くなるので、日本でやるなら別の工夫が必要になってきそうです。

観客の選び方

暗示系の現象をやる上で最も大事なポイントです。

ベンジャミン・アールは「必要なのは経験」と言ってます…/(^o^)\
演じるマジックにプラスに働きそうな人を探すそうです。具体的な方法についてはそこまで語られていません。

一応、催眠術をやっている身として、幾つかの見極めポイントはありますが、レビューではなくなるので別の機会に…
まぁ、なんだかんだで場数踏んだほうが早いってのは間違いありませんよ!(ぉぃ)

コインのすり替え

観客の選び方と同じくらい大事なポイントです。この2つができないとルーティンが成り立ちません。

使える技術かもしれませんが、似たような技法を何回も繰り返されると眠くなりますね!
リチャード・ターナーの『ザ・チート』も途中で寝てしまった私には、ここで意識を保つのは困難な任務でした(適当)

この辺の理論というか、思想は『リアルコイン・マジック』にも反映されています。

スイッチの方法は毎回違う。その場の状況によって変わるんだ

ベンジャミン・アール

凄く聞き覚えのあるセリフが…(^ρ^)

最近のベンジャミン・アールの作品、リアルシリーズを知っている方は分かると思いますが彼らしいこだわりが随所に現れています。(雰囲気、演者の心の持ち方…)

脈を止める

この辺から暗示パートについての解説です。

脈と止めに関しては、ルーク・ジャーメイの話が出てくるので、『スカルダガリ』を知っている人は少し「ふふっ」とくるかも知れません。

正確なセリフや台本が必要だとよく言われるが、9割のケースではいらないと思う。

ベンジャミン・アール

完全に同意です。この後に続けられているセリフも非常に良いので、ぜひ自分で確認してください。
この部分に納得できるかどうかで、成功するかどうかが決まる…ってのは言いすぎかも知れませんが、かなり大事な部分です。

ちなみに、この現象は暗示で起きると言うよりは、肯定的検証方略と呼ばれる心理現象なので、実はそう難しくなかったりします(肯定的検証方略はコールドリーディングでも使われますし、暗示の一要素として使われることがあります)。

これで反応を引き出しつつ暗示を入れていく、よくある催眠の手順につながっていきます。

問題があるとすれば、この暗示も医療関係者などで脈を取り慣れている人相手には少し効きにくいことですね…(どうも脈止は医療関係者と相性が悪い印象が強いです)

なお、コインが脈打つ感覚は錯覚によっても引き起こされますし、他にも生理学的に起こるけど余り知られていない現象などが利用されています

いわゆるエリクソン催眠で言うところの、ユーティライゼーションってやつです。

元が催眠術用のルーティンというだけあって、体感的で失敗しにくいもので構成されています。

コインベンディング

突然コインを曲げるのではなく、観客の体感が重視された演出について話しています。

ここでも暗示系のテクニックなどに付いて軽く言及されていますが、知らない人のためにもう少し深く掘り下げたほうが良い気もしました。質問に対する解決方法も説明が簡単すぎて、いまいち具体性が無いです。

催眠現象が起きなかった場合のアウトとして用意されていますが、体感的にするためには結局暗示が上手く行っていないと意味がないので、結局は暗示の入りやすい人を選べることが前提となっています。

年号を当てる

手の甲から年号の形が見えてくる現象。
これも暗示系と心理現象の組み合わせなので、反応を引き出すのはそう難しくないかと思います。

ここの暗示についての説明でも、「直感」とか「途中で見極める」と具体性が低い言葉ばかり出てきます。「正しい答えはないから」ってのも間違いではありませんが…

問題は、日本円でやるのが不適当なため、何らかの工夫をしないとできないこと。

コインを見せる

それまでのセットアップ、伏線の回収パート。今までの積み重ねの集大成です。

曲がったコインを如何に劇的に見せるか、更に曲げてみせる方法などについてです。この辺の考え方やディスプレイは、暗示を使わないコインベンディングにも使えます。

効果が最大になるかは、演者の演技力や場の支配力、観客の選択に強く依存するので、やはり集大成と言えると思います。

むしろここの説明そんなにいる?って感じでした。

サインについて

コインにサインをさせるかどうかについてのお話。

結論については実際に見てください。

前後のマジック

有り体に言えば催眠現象と合う現象についての話。

催眠術の前後にマジックを混ぜたい人には参考になると思います。

基本的には、自分で考えて、というスタンスでした。

ボディ・ランゲージ

暗示の大半がボディ・ランゲージによるものという話。

身体の位置や、空間の作り方について説明されています。暗示を使う使わないに限らず、かなり役に立つ内容です。

ただ、ここでも「計算する」などと言われますが、そこまで具体性のあるアドバイスは多くありません。

私が以前から気になっていたことが語られていたので、そのへんは良かったですね。

まとめ

内容的には得るものがありますし、情報としても良質な方だと言えます。

ただ、全体的に催眠の経験がある人にしか伝わらない要素が多いかなと。経験の無いに人は「何の意味があるの?」って思う部分が頻繁に出てくるかも知れません。

もし催眠の経験がない人がこれをやるのであれば、表面上なんとなくセリフや動作をなぞるのではなく、セリフや動作の解説で言及されたことは全てやってみるべきです。流し見で全体像をなんとなく把握しただけでは、人によっては現象が全く起きない可能性すらあります。

また、ここで出てくる暗示や催眠現象はどれも、「手をかためる」より反応率が高く簡単です。最初に書いたとおり、催眠について古典的な知識しない人には難しく見えますが、実際にはかなり起きやすい現象なので、「難しそう」を理由にやらないのは勿体ないですね!

まとめのまとめ

日本の硬貨で合法的にやれないのがしんどい!

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