前回の続きです(^ρ^)

[JEAN] 催眠でよく言われている事と現代的アプローチ(前回はこちら)

 

引き続き、催眠でよく言われていること、というか言われていたことと現代的アプローチについてのお話です。

 

今回のテーマは「トランスの深さ」について。

トランスという言葉自体が現代的アプローチではほぼ使われていないことからも分かるように、トランスは概念的にやや問題がある表現です。

(今でも催眠術をやる際に「トランス」や「催眠状態」という言葉は使われますが、これらは実体が無い割に伝わりやすいことが理由でもあります)

 

そして、あくまで主観ですが、深度(深さ)についてもやはり誤解が残っているような感じがします。

 

古典的アプローチではよく、軽トランス、中トランス、深トランスという言葉が使われていました。

軽トランスではカタレプシー(硬直)の様な運動支配が起き、中トランスでは感情〜記憶の支配、深トランスでは幻覚が起きると言われています。

催眠の被験者はトランスの程度によって、深くになるにつれてこれらの現象が起きるとされてきました。そして、一部の人だけが深い状態へと入っていくとも考えられていました。

 

しかし、実際に催眠をやっている方は既に気がついていると思いますが、この考え方は少し古いですし、あまり正確とは言えません。

カタレプシーが起きずに感情支配が起きる人もいます。記憶の変化は無くても幻覚が起きる人もいますし、トランスが深くなるに連れてこれらの現象が起きてくるという考え方は実際的ではありません。

 

私が以前に遭遇したケースでは、カタレプシーや観念運動にほぼ反応が無かったものの、感情や認識の変化、幻覚が起きたということがあります。

 

 

これらの事象も、前回の投稿で紹介した「被催眠性」と、その4つのサブスケールで説明が出来たりします。

 

というのも、4つのサブスケールとトランスの深さという概念は全く関係が無いからです。

 

硬直はモーター・チャレンジに分類されますし、4つのサブスケールによって起きる反応はそれぞれが独立している場合もあるので、モーター・チャンレジ(硬直等)に対する反応がなくても、他の3つの反応が出てきてもおかしくありません。

そして、モーター・チャレンジは反応の出やすさで言うと3番目であり、上位2つの「ダイレクト・モーター」と「パーセプチュアル・コグニティブ」よりも出にくいと言えます。

 

上位2つの反応率にそこまで差はありませんが、どちらかにだけ反応するという人も勿論いるため、運動系の暗示に全く反応無い人が、笑いが止まらなくなる、幻覚を見るなんてことが起きても不思議ではありません。

 

更に言うと、記憶系は反応率が50%強と言われているので、半数の人は忘却が起き、半数の人は起きません(アタリマエのことを言ってしまいました…)。これもトランスの深度ではなく、単にその人が記憶に関する反応が出やすいか出にくいかの差しかない可能性があります。

正確に言うと催眠中の出来事を思い出せなくなるのが50%強であって、覚醒後に特定の事象を忘れるというのは高い被催眠性が必要なのではないかとも考えられているので、この辺はまだ少し曖昧な部分でもあります。

 

 

もし、既に催眠をバリバリにやっている人で、トランスの深さについての考え方と実際の被験者の反応に差があると感じている場合、その感覚は非常に正しいと言えます。

 

最初にも書いていますが、現代的アプローチではそもそも「トランス」という概念自体が余り使われていません。それに付随する概念も一緒に使われなくなっています。また、似たような言葉で「変性意識状態」というものがありますが、これも催眠をするのに必要という説(変性意識説)がほぼ否定されているため、最近は使われなくなってきています。

 

現代的アプローチでは、催眠状態(トランス状態/変性意識状態)にしなくても、催眠による現象は起きると考えられています。

その現象は、トランスの深さというよりは、被験者の被催眠性+αによって何が起こるかが決まります。

 

ただ…見かけ上トランスが深くなるに連れて色々な反応が出てくるように思えるのも事実です。

これは被催眠性と催眠予期性である程度説明が出来ますが、長くなりそうなので今回は省略させて頂きます。

 

 

被催眠性をベースに考えた場合、催眠の最初でカタレプシー(硬直)が上手く行かないからと言って、その被験者が催眠術に掛かり難いと考えるのは早計ですし、そう判断してる人が少なからずいるので勿体なく感じています。

 

 

そしてですね…また今回も長くなりすぎたので、ここからの内容は次回に回します/(^o^)\

 

 

次回は、マグネティック・フィンガーを例に、観念運動等の生理的に起こる反応と催眠の関連性を現代的アプローチで解釈するとどうなるかという話をしようと思います。

催眠術をやる際に、ある種のトリックを使う人もいますが、それも驚愕法とは関係なく、現代的アプローチからすると理に適っていたというお話です。

またこのことは、マジックと催眠術の相性について良い/悪いと2つの意見が出る原因でもあるので、そのことについても少し話せたらなと思います。

 

あくまで予定ですが…

 

 

 

(JEAN)

 


 

最近インフルエンザが流行っていますね…

スタッフAとスタッフDも最近インフルエンザに罹患していたようです。

(家族も掛かってたとかで大変だったとか)

 

風邪などには充分に気をつけてお過ごしくださいm(_ _)m

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