最近はレビューばかりだったので、たまには別のことを書こうと思いました。

一応まだレビューするDVDは残っているのですが、まだ見終っていませんしね/(^o^)\

 

今回の内容は正直書くか悩みました。

今作っているレクチャーで載せようと思っていた内容だからです。

 

ざっくり言うと、今まで言われていた催眠のコツや、「○○したほうが良い」ってことは意外とちゃんとした理由が説明されてないよね?というのが始まりです。

そして、それらは理由が説明されていないだけで、現代的なアプローチ(研究)と照らし合わせると割りと理に適ったモノが多いよ、というお話。

 

 

ブック&バルーン・テストを例にしてみると…

被暗示性テストとして良く使われています。特に海外のショー催眠で見かける機会が多く、日本で催眠術をやる人も大体はやっている気がしますね。

 

簡単に説明すると、両手を水平に前に出してもらった状態で、右手にはヘリウムガスの入った風船が付いており、左手には重い本を乗せるイメージをしてもらうという物です。

 

この時に、右手は徐々に軽くなる、或いはイメージの風船が膨らみ上に吊り上げられる姿を思い描くことで、右腕が上がっていきます。そして、左手は本を1冊ずつ載せていき、徐々に重くなって腕全体が下がっていくという状態になります。

簡単な説明ですが、この説明を読んだだけで何となく実行しても、暗示に対する反応性の良い人は両手の高さがガッツリ変わります。

 

そして、このテストで、何故、風船と本をイメージするのかという話です。ここが本題です(゚∀゚)

実は、暗示に対する反応が良い人、若しくは被催眠性が高い人は、直接腕が上がる/下がるという暗示(というかこの場合は「教示」かな…いずれにせよsuggestionという単語が使われます)だけでも腕がその通りに動きます。

ただ、その直接的な指示で反応しない人でも、本を載せるイメージや風船が膨らむイメージを経由することで、反応を引き出しやすくなります。

 

一般的な催眠術の本では、イメージをさせることで反応を引き出しやすくなるとか、意識を迂回することが出来るとか書かれていると思いますが、その理由についてはちゃんと書かれていない気がします。もしくは割りと適当に、今ではほぼ使わない変性意識状態という何の実もない言葉を使って説明を試みているケースもあります。

 

で、この本を載せるイメージをしたほうが掛かりやすいというのにはれっきとした理由があります。

現代的アプローチと呼ぶには少し古いかもしれませんが、被催眠性についての研究がそれなりの理由を与えてくれています。

 

被催眠性というのは、その人の催眠に対する反応性の良さを表しますが、これには4つのサブスケールがあると言われています。

カタカナで書きますが…

・ダイレクト・モーター(直接動作)

・モーター・チャレンジ(動作挑戦)

・パーセプチュアル・コグニティブ(知覚・認知)

・ポストヒプノティック・アムネジア(後催眠忘却)

(注:括弧内は適当に翻訳したものを入れているので、学術的な言い回しではありません。)

 

主にこの4つの方面に分けて被催眠性というものが研究されています。

 

ダイレクト・モーター(直接動作)に対する反応性が良い場合、その人は動作の指示だけで、上述の腕が上がる/下がるだけの暗示で反応が出てきます。

モーター・チャレンジ(動作挑戦/抵抗)では動かなくなる、固まる系の催眠反応の出やすさに関係し、パーセプチュアル・コグニティブ(知覚・認知)ではイメージや嗜好、感情、五感などに対する反応性と関係があり、ポストヒプノティック・アムネジア(後催眠忘却)では催眠中の記憶の忘却が関係してきます。

 

そして、この中でも3つ目の、パーセプチュアル・コグニティブのウェイトが大きく、他3つはこれに付随するものだとも考えられています。

つまり、イメージをさせることで、他の3つの反応も引き出しやすくなるわけです。古典的アプローチでも言われている、イメージをさせることの重要性にはちゃんと根拠があったわけです(゚∀゚)

 

また、このブック&バルーン・テストをやっている時に相手の腕が動き始めたら、直接的に腕が上がる/下がる、という指示に切り替える人がいます。私もします。

これも結局は上の被催眠性の内、ダイレクト・モーターに対する反応性が関わっていて、重さを感じて動いたことを補強すると言うよりは、ダイレクト・モーターに対する反応性が高まったことにより、イメージを必要としなくなっただけと言えます。

(被催眠性は学習により改善、高くなると結論が出ています。また被暗示性は催眠を繰り返しても高くならないと言われていますが、場合によっては被催眠性と被暗示性を厳密に区別していないこともあります…被暗示性と被催眠性の違いについては長くなりそうなので別の機会に…)

 

 

最初書いたら5000字近くまでいってしまったので、このへんで一旦区切ります…

次回は、軽トランス、中トランス等のトランス深度という考え方が古いという話をする予定で、紙面に余裕があれば、マグネティック・フィンガーを例に、観念運動等の生理的に起こる反応と催眠の関連性を現代的アプローチで解釈するとどうなるかという話もしようと思います…

 

あくまでも予定ですが…

 

 

とりあえず、古典的アプローチで言われていたコトは意外と理にかなっていたのでは無いでしょうか?

 

 

もしここまでの内容で気になることがあったら、『The Oxford Handbook of Hypnosis』を読んで下さい。

間違えて記憶しているなんてこもありえます…今回の内容のソースはほぼこの書籍ですし、こちらを参照した方が圧倒的に早いと思います。

 

 

そして、英語圏ではこのような情報に簡単にアクセスが出来るわけですよ…

今回紹介した話だって、別にここ数年レベルではなく、10年以上前には分かっていたことです。

ところが、日本の催眠指南書では、こんな話はほとんど出てきません。

(一応紹介している書籍もありますが、専門的で、ぱっと催眠術を始めようと思った人は恐らく手に取らないような本です)

 

海外ではもう、ほぼ使われていない「トランス」という概念を未だに使っており、更には2007年前後にはほぼ否定された「変性意識説」で説明を試みているものもあります。

 

そして、今まで実践を経由してしか得られなかったコツは、現代的アプローチでは体系的に説明される常識なわけです。

 

私の持論は「経験は知識の累積」です。

知識は経験に勝る可能性があります。

 

催眠の上手い人と下手の人を分けるのは、経験や能力の差ではなく、大部分は知識の差だと思っています。偶然コツを見つけた人だけがうまくなり、その感覚を掴めなかった人は上達しない上に、日本語で一般的に出回っている理論がちょっとアレなので、そこでも上達が阻害されるという負の連鎖に陥ってるのではないかと。

 

もし知識が同程度あっても差があるとしたら、それこそ能力や適正の問題かも知れませんが、現状はそうではありません。そこの差を縮めることが出来たらと思い、現在レクチャーを作っています(^ρ^)

 

 

最後に、次回の内容に軽く触れておくと…

既に催眠をやっている人は、硬直が最初に起きて、それから運動、感情、記憶、幻覚という順番にトランスが深くになるに連れて出て来るという古典的アプローチの考えに例外が多いことに気がついていると思います。

硬直ができなかったけど、感情支配は出来たという話はよく聞きますし、私自身も運動系の暗示が全く入らなかった人が負の幻覚まで起きるようになったというケースに遭遇したことがあります。

 

実はこの辺も今回言及した被催眠性のサブスケールである程度説明ができるので、気になる方はしばしお待ち下さいm(_ _)m

 

 

 

(JEAN)


 

ちなみに!

レクチャーの進捗はかなり微妙で、誕生日(3月28日)までに出せるかどうかすら怪しいですね…(クソ)

(ノートにするか映像にするかすらまだ未確定です。統計のグラフとか、説明用の図が欲しいので今のところはノート形式を考えています)

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