12月の頭頃に出したサイコロジカル・フォースに関するミニレクチャー『One-fifth』(=5分の1)で、少しだけ触れたシンメトリー効果についてのお話。

心理学におけるシンメトリーには色々なモノがありますが、今回言うのは対称性が高いものほど見ていて安心する、或いは美しさを感じるという意味でのシンメトリー効果についてです。他にも黄金比等の特定のパターンや、規則性のあるものを好むという性質も含まれるはず…多分(雑)

というより、心理学でいうシンメトリーは元々人間の顔の対称性についての話が多いので、今回話すのは心理学と言うか、習慣的に知られていることです。

科学的な根拠があるかは分かりませんが、経験的によって恐らく事実であろうと思われる現象。格好良く言うと、弁証法によって出された結論です(適当)

すごく適当に言うなら、お婆ちゃんの知恵袋。

細かい話をすると視覚的普遍性とか、連続性云々、感情の〜というのが入るのでこの辺はすべてすっ飛ばします。黄金比の話もシンメトリーの中で出てきますね(対称性だけというよりは人間が良いと感じる比率の話も含まれるので)

 

いつもどおりの雑記事ってヤツですね!

そして、大事なのはサイコロジカル・フォースを運用する上でどう関係するのかという話です。

これ『One-fifth』では軽くしか触れなかった部分でもあります。軽くしか触れなかった理由は単純で、サイコロジカル・フォースにはそこまで使えないと感じるから、です。

パターンとしては存在しますが、選択をする時にそこまでの優先権があるとは到底思えません。あくまでそのパターンが起きた際の理由を後付するものだと思っています。

そもそも、『One-fifth』で書いてあるシンメトリーを使う状況では、最初のフォースに失敗しているので、あくまで補助的なものとして「こんなのもあるから、一応考えに入れといて」と言う感じです。

仮に、シンメトリー効果が強力に働くとしたら、ESPカードで選ばれやすいのは、「波」以外のシンメトリーな図形である「○」「十」「□」「☆」になるはずですが、特にこちらから何もアクションをしない限りは「波」か「☆」が選ばれやすい傾向があります。

これは海外のメンタリスト勢も同じことを言っているようですし、文化的背景はあまり関係ないと思われます。そして文化的背景が関係ないということは、シンメトリー効果よりも強く働く要素がある、という予想がたてられるわけです。

(1つだけシンメトリーではない「波」が目立つという考え方も出来ますし、もう1つの選ばれやすいと言われる「☆」も残りの3つと比べると、これだけ上下左右が対称では無いという理由かもしれません)

 

サイコロジカル・フォースの基本な考えとして、複数の手法を同時に使うというものがありますが、シンメトリー効果もその単体ではあまり使えない暗示の1つと言えます。

(某M氏は「レイヤーを重ねる」と表現しますし、私は「層を重ねる」というので、これ系のフォースをする人は共通の感覚かも知れませんね?)

ちなみに、これも『One-fifth』の補足になりますが、シンメトリー効果を利用しようと思うと、相手が真正面にいる状況が望ましいです。相手の目から見て対称的になるようにしなければ効果は出ません。

 

最初にも書いていますが、シンメトリーであると人はそれに美しさや安心感を覚えます。

ただ、それは選択に影響するほどかは分からないのです。人によっては迷った時にそういう選択肢が入るかもしれませんが、迷った末にアシンメトリーを選ぶ可能性も充分にあるわけです。

 

古今東西のファッションや建築物を見たら分かるように、人は必ずしもシンメトリーを好むとは限りません。

結局は、相手をよく見て、本能的にシンメトリーを好む人なのか、育ってきた社会的環境によりアシンメトリーを選択したいと思う人なのかを見極める必要が出てきます。

そして、私の言うメンタル・フォース(≒サイコロジカル・フォース)ではフルデック(52分の1)や動物の名前、3桁の数字だったりするので、そもそもシンメトリーの出番がありません。

シンメトリー効果はあくまで、選択肢が少ない状況で使える"かも知れない"理屈"ってのが私の考え方です。

追記:最近「シンメトリーフォース」で検索する人が多いので…

おそらくこれの影響だと思います。個人的な見解としては「シンメトリーフォース」はNLPで言う所のペーシングやミラーリング、リーディング、マッチングの一種であり、昔からある心理現象に名前を新たに付けたってイメージです。要は何も考えて無くて、ある程度ラポールがあれば、お互いがお互いの動きを真似してしまうってあれですね。

シンメトリー効果とはあまり関係は無さそうです。

ちなみに、5択程度であれば、相手が自由に選んだカードを推測するのはそう難しくないので、フォースする必要をあまり感じません。

動画を見れば分かりますが、自由意志で決めた場合、最初はアシンメトリーな図形が選ばれやすい傾向があるのが分かります。

シンメトリー効果を考慮したり、相手が決めた図形を1度変えさせたりすることで、ある程度の推測や誘導が可能ですが…それよりもフォースとは関係なく、選ばれやすい位置やカードに偏りがあることに気がつくかも知れません。

つまりはそういうことです。

フェイスが見えた状態で選択をする場合は偏りが出ますし、実際にカードを選ばせる(抜かせる)行為が入ると物理的制約などから更に偏りが生じます。そして、恐らくこの偏りはサイコロジカル・フォースよりも強く働くんじゃないかと…


シンメトリーについて気になる方はGoogle等の検索エンジンで"symmetery psychology"で検索してみて下さい。日本語の「シンメトリー効果」よりも詳しく説明されているサイトが幾つか見つかります。

むしろ、「シンメトリー効果」って名前がどうやって付いたのか気になるくらいです。

"symmetry effects"で検索しても心理学系のサイトがあまりヒットしません。

Facial symmetryというWikipedia(英)の記事や、美学で出てくるシンメトリーばかりです。他にも社会的相互作用で出てくるゲーム理論などの関連としては出てきますが、いつからサイコロジカル・フォースで使える要素として勘定されているのかは全く分かりませんでした。

今後誰かがソースやエビデンスを含めて解説してくれることを願っています(゚∀゚)