感想:『はじめての催眠術』(著:漆原 正貴)

昨日発売された催眠入門書『はじめての催眠術』の感想になります。

まとめ

先にまとめから入りますが…

恐らく、現在日本で入手できる最も優れた催眠入門書…と言っても過言ではありません。

もし、周りで催眠誘導をやりたいって人がいたら、とりあえずこれをススメます。

ポイント1:基本情報が充実している

基本事項が簡潔にまとめられている

催眠の歴史や定義についてコンパクトにまとまっています。歴史については最低限ですが、定義についてはしっかり書かれているのはポイントが高いです。

というのも、日本の催眠本って意外と催眠がちゃんと定義されていないんですよね…それか筆者の主観的な定義しか載ってない場合がありますし、「この人、本当に催眠について知ってるのかな?」と思うことがよくあります。

また、「催眠感受性」を始めとする学術的な言い回しがされている所や、統計的な話も出てくるのも良いところです。特に後者に関しては、以前から言っているように、硬直は催眠現象の中では起こりやすい方ではないですし、現象の発生率を知っておくのは催眠誘導をする上で大事なことです。

メカニズムに対しての言及がある

状態論と非状態論の話が出てきますし、それぞれの研究について軽く触れられています。

また、少し前後しますが、脳の変化についても言及があり、それが催眠全体を表す指標ではない的な内容が書かれていたり、デフォルモードネットワークについての研究が引き合いに出されたりと認知科学、神経科学的な観点も含まれています。

ちなみに、私が最近YouTubeで提唱している、催眠概念仮説も神経科学の研究がベースに成っているので、気になる人はそちらも見て下さいm(_ _)m

 

ざっくり言ってしまうと、催眠をコンセプトとインスタンスの考え方で説明しようって仮説です。

神経科学的な知見を得たい方は、以下の本がオススメです。

ポイント2:初心者向け

タイトルの通り入門書なわけですが、ここまで初心者向けの本は中々無いかと思います。

カテゴリ別になっている

催眠誘導を効率化する方法として、カテゴリ(サブスケール)別に考えるってのがあります。

相手が反応しやすいカテゴリを探し、そのカテゴリ内で徐々に高度な催眠現象を起こすのが効率的な手法だからです。つまり、古典的な硬直から始まるような非効率的な考えが一切されていません。非常に現代的だと思います。

ボディトリック併用型

催眠状態を起こすために、運動系の暗示とボディトリックを組み合わせるのは非常に効率の良い手段です。そして、この本では正にそのボディトリック併用型の現象が多く紹介されています。

とりあえず効率的

効率的って単語を出しすぎている気がしますが効率的です(ぉぃ)

実際にはもう少し効率化する手段があるものの、入門書としての範囲を逸脱するのでタイトルのコンセプトを考えるといい塩梅だったと思います。

ポイント3:個人的なツボ

巻末の参考資料を見た限り、著者の方と読んでいる資料がほぼ被っていました。そりゃ似たような考え方や手法になりますよ…

最近YouTubeに催眠に関する動画を2本アップしていますが、内容がかなり被っていますし、これ発売日後に出していたら「読んでから動画作ったろ?」と言われてもおかしくないんじゃ…

おわりに

ごちゃごちゃ言っても伝わらないのと思うので、とりあえず、催眠やりたい人で知識が不足していると感じる人は最低限これを読んで下さい。むしろ、この内容を知らないで催眠誘導をやっているのであればモグリです。素人が見様見真似でやっているのと大差ありません。

もし催眠を始めた頃にこの本に出会っていたら、恐らく3年ほど時間を節約できたと思いますし、もっと効率的な学習ができたはずです。(ちなみに、私の催眠歴はそろそろ4年…)

ただ…確かに私と思考や手法は似ていますが、細かい所で結構違う部分がありますし、恐らく入門書ということで排除されている部分も多くあるはずです。ということで、個人的なコツとか、もうちょっとこの辺工夫できるのでは?と思うところについて、今後は動画やらブログで紹介していこうかなと思いました(まる)

催眠関連書籍について

以下の書籍、特に前2冊があれば催眠誘導技法に関するスキルはほとんど足ります。

余力のある人、英語が苦手でない人は後半2冊を読んでおくと、更に理解が深まります。特に4つ目の本はステージ催眠について体系的にまとめられており、またステージ向けのトリックなどが幾つか紹介されているため『はじめての催眠術』で使われている方法に組み込みやすいかと思います。

イゴール・レドチャウスキー (著), 大谷彰 (翻訳)

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