メンタリズムとは

このページは、noteの『メンタリズムって何?メンタリストは何をする人?』を編集したものとなります。

メンタリズムとは

古来より詐欺師や奇術師、占星術師などが使っていたテクニックを統合しパフォーマンス向けに改良したものと考えるのが妥当かと思います。

メンタリズムのパフォーマンスでやることの多くが、読心術やテレパシー、予言、千里眼、サイコメトリーなど超常現象の再現であるのは、もともとが霊能者を騙るための手法だった名残だと考えられます。

セオドール・アンネマン曰く…

1900年初頭のメンタリストであり、現代のメンタリストにも使われる多くの手法を発案したセオドール・アンネマン(Theodore Annemann)は以下のように語っています。

“Mentalism is the grown up form of magic.”

適当に翻訳すると「メンタリズムはマジックが成長した形である」。彼の主張ではメンタリズムはマジックの派生になります。

メリット・マッキニー曰く

映画『グランド・イリュージョン』に登場するメンタリスト、メッリット・マッキニーは劇中でこう語っています。

「メンタリズムは科学では無く娯楽の類」
「ほとんどトリックで少しの科学、経験に基づく推測が最も適切」
「プラス直感とたまに頭の中で声がする」

ほとんどトリックとありますね。なお、一番最後の文はふざけて言っていますが、割と大事な要素だったりします。

メンタリストDaiGo曰く

「すべての超常現象は科学的に再現できる」を信条に、かつて超能力や超常現象と呼ばれたものを科学や心理学などにもとづいて解析し、再現するパフォーマンス”メンタリズム”を行う

メンタリズムの本質は奇術

上述した3人の主張は全て共通しています。メンタリストDaiGo氏のメンタリズムに対する説明は少し違ったように感じるかもしれませんが、Wikipediaに載っている「奇術」の項目にはこう書かれています。

奇術 (きじゅつ)は、人間の錯覚や思い込みを利用し、実際には合理的な原理を用いてあたかも「実現不可能なこと」が起きているかのように見せかける芸能。通常、観客に見せることを前提としてそのための発展を遂げてきたものをいう。

  • 超常現象=実現不可能なこと
  • 科学や心理学など=合理的な原理

この様に置き換えることが可能であり、奇術とメンタリズムは本質的に同じであると言えます。

特に超能力や霊能力などの超常現象を再現し、相手にその存在をわずかにでも信じさせることを目的としたテクニック、及びそれをベースとしたパフォーマンスがメンタリズムです。

日本最初のメンタリストが既に最初から本質を説明していたわけですが、日本では「メンタリズム=心理学のテクニック」と非常に偏ったイメージを持たれています。

メンタリズムとマジックの違いは?

本質は同じものですが、目的が違うため考え方や手法に差があります。(詳しくは以下の投稿に)

メンタリズム≠心理学

メンタリズムといえば「読心術」と言われるくらい、相手の心を読んだようなパフォーマンが多くあります。 そして、読心術は心理学ではありません。

“Newtonライト2.0 『心理学』”では以下のように書かれています。

「心理学とは,人間の心理や行動に関する法則を明らかにしようとする学問です。このとき,科学的な方法を使ったものでなければ,心理学とはよべません」。たとえば心理テストや読心術には,科学的な方法ではなく,個人の主観や思いこみにもとずいたものがすくなくありません。こうしたものは,心理学とはよべないのです。
また,心理テストや読心術は,特定のだれか(たとえばあなた)の性格や考えをいいあてようとします。一方,特定のだれかではなく,だれもがもつ心の普遍的なはたらきをとらえようとするのが心理学なのです。

心理学は誰もが当てはまる特徴を科学的に研究する学問です。その知識があれば相手の心理的な傾向は読み取れるかもしれませんが、相手の初恋の人の名前や具体的な数字を当てるのは心理学ではほぼ不可能です。

心理学はメンタリズムを構成する要素の1つであり、現代では演技に説得力を持たせるためのツールと言えます。

メンタリズムを学ぶには

心理学をいくら勉強しても読心術などのメンタリズムはできません…メンタリズムを覚えたければ心理学ではなく、メンタリズムを勉強すべきです。

奇術とほぼ同質であるため、「メンタル・マジック」と呼ばれる分野を中心に調べてみるのがおすすめです(厳密にはメンタル・マジックとメンタリズムは別物ですが、原理や方法は共通する部分が多くあります)

メンタリストは詐欺の手口から派生しているため、詐欺師のの手法を詳しく知ることも非常に役に立ちます。また、メンタリストの言う「心理学的手法」は元々詐欺師がよく使っていた手法であり、現代では研究されマーケティングの方法として一般的に使われています。なので、メンタリストよりもマーケターや営業職の方のほうが経験や職務的に実は詳しいってことも珍しくありません。接客業のプロもその辺のメンタリストを凌駕する観察力やきめ細やかさがあります。

当サイトに参考になりそうな資料をまとめたページがあります

 

メンタリストとメンタリズム

一説によると、単語として「メンタリスト」が世に出始めたのが1800年初頭で、メンタリズムは1900年頃だそうです。メンタリストが先に存在し、後にそのテクニックを指してメンタリズムという単語が生まれたことになります。

ただ…メンタリズムで使われるテクニックは起源が不明なものが多く、文献を辿っても1600年代までしか遡れないものも珍しくありません。メンタリストと呼ばれないメンタリストが遥か過去から存在しており、その技術は文献ではなく人から人に口伝や見様見真似で近世まで伝わってきました。

メンタリストが本来意味しているもの

メンタリストは本来、心霊商法を行う人、霊能者や超能力者を自称する人たちを指す言葉でした。また、海外では今も心霊商法詐欺師を意味する蔑称として使われることがありますし、マジシャンとの対比として(或いはその分野に特化したマジシャンを指して)用いられることもあります。

海外ドラマ『メンタリスト』をご覧になったことがある人であれば伝わりやすいと思いますが、主人公パトリック・ジェーンがCBIに協力する前の職業であるインチキ霊能者が正にメンタリストです。なので、パトリック・ジェーンは正確に言うのであれば「元・メンタリスト」になります。

なお、この作品では「メンタリスト」って単語が2回位しか出てきません。それも「流石メンタリスト(意:やるぅ!)」みたいな使われ方なので、やはり若干の皮肉がこもっているフシがあります。

日本のドラマ『トリック』に出てくる、自称霊能者もメンタリストと呼ばれる人種になります。

現代のメンタリスト

既に述べたように心霊商法詐欺師などが使っていたテクニックを舞台芸術に利用したパフォーマーをメンタリストと呼びます。

いわゆる芸人の一種になります。

そう考えた場合「○○メンタリスト」って存在が如何におかしいかが分かるかと思います。

実際にいるかは分かりませんが…

  • ビジネス・メンタリスト→ビジネス芸人
  • 恋愛メンタリスト→恋愛芸人
  • 〇〇メンタリスト→〇〇芸人

と言った具合になります。なんていうか…ビジネスネタとかを自在に操る芸人さんかな?と本来の意味を知っている人であれば思うわけです…

だからこそ、シンプルに「メンタリスト」と名乗る方が良いのですが…差別化をしたいという気持ちも分からなくはありません。

ちなみに、上述のドラマ『メンタリスト』やダレン・ブラウンの番組が流行する2000年前後までメンタリストを名乗る人は少なく、日本ではメンタリストDaiGo氏がメディアに出るまで1人もいませんでした。元々あまり良い意味で使われる名称ではないため、当然といえば当然です。

余談ですが、世界最高のメンタリストと称されることのあるダレン・ブラウンも自身では「メンタリスト」と名乗ることはなく、普段は「サイコロジカル・イリュージョニスト」と名乗っています。オフィシャルページでも”Mentalism”或いは”Mentalist”の単語が全く使われていません。
※TEDでは「メンタリスト」を名乗っていたので、求められるキャラクターによって変えているようです