前回に引き続きWordPressについてのお話です。
今回はWordPressサイトをECサイト化、特にDL販売をする場として運用する方法について、私が実際にやってみた方法を紹介します。
目次
ECサイトを構築する意義
ECサイトを構築するメリット
メリットは以下の3つが挙げられます:
- DLCの容量制限が緩い
- 決済手数料が抑えられる
- SEOに強くなれる
動画を販売したい人にとっては1つ目が非常に魅力的だと思います。STORES.jpやBASE、BOOTHなど大手ではダウンロード販売できるファイルの最大容量が大体1GBに設定されています。ファンティアについては有料プランに加入した向けに3GBまでのファイルを販売することができますが、有料プランに加入するハードルがあります。
※ハードルを設けること自体は悪いことではなく、むしろニッチ向けであれば有利に働く点も多いのですが…この話をすると長くなるので別の機会にでも…(?)
決済手数料が抑えられるのは自明で…例えばSTORES.jpが使っている決済サービス"Stripe"を利用した物になっています。つまり、STORES.jpの販売手数料はStripeの決済サービス手数料が含まれているため、当然のことながら"Stripe"よりも手数料が高くなるわけです。
WordPressが元々SEOに強い構造をしているのと、ブログが検索で上位に出始めても、販売が外部サイトであると効果が若干落ちます。また、外部サイトで商品の知名度が上がっても、ブログのアクセスが増えるとも限りません(というか大手サイトも囲い込みを狙っているためか、外部リンクが無い、或いは使い難い構造になっているケースを見かけますね)
デメリット
- 銀行振込とコンビニ決済に対応できない or 対応させるとそれなりに費用がかかる
- サーバーとドメインの維持費が掛かる
- 作るのが面倒くさい(必要な表記やページが多い)
無理やり3つにまとめた感がありますが…
上述の決済手数料が抑えられるってのは、最低限のプランを適用した場合です。最低限と言っても、クレジットカードとPayPal決済、設定によってはApple Payまで対応できます。
ただ、機会損失を防ぐためにもコンビニ決済や銀行振込ができたほうが手広く売りたい場合は有利です。そうなった時に、それらに対応した決済サービスを利用するわけですが、手数料が少し増えます。
契約先によっては月々の固定費も掛かりますし、自分で色々と設定したり調整する必要があります。正直そこまでするくらいなら、先に挙げたSTORES.jpを始めとする大手のサイトを利用したほうが楽ですね。
既にここまでで面倒だと思う人もいるかも知れませんが、個人で作る際には更に面倒な作業が待ち構えています。特定商法取引法に基づく表記、プライバシーポリシーに関する表記がされたページを作ることになります。前者は省略できるところも多いのですが、後者は割と真面目に作る必要があるわけで…かなり面倒でした。
まとめ:
DLCの容量を気にしないのであれば、大手のサイト利用がオススメ!(ぉぃ)
大手サイトは手数料が僅かに多いだけで、多様な決済方法が使え、月々の固定費もほとんど掛かりません。
既にサイトを構築しており、サーバー維持やドメイン等の固定費は元々あるものとして考えている人であれば、実質0円で運用することができます(やや強引)
DL販売をするために必要なもの
※決済サービスはStripeを使うことを前提としています
- サイトの常時SSL化
- Stipeとの契約
- プライバシーポリシーのページ
- 特定商取引法に基づく表記
- FTPクライアント
- プラグイン
SSL化はECサイトを作る上で必須です。ECサイトではなくても、SEO対策をするのであれば現在ではほぼ必須であるため、基本的には対応しておくべきですね。
Stripeは既に述べたように決済サービスです。これさえあればWordPressでのDL販売は秒読みです。
プライバシーポリシーと特定商取引法に基づく表記のあるページは通信販売をする上で必須ですね。
FTPクライアントは大きいサイズのファイルをアップロードする際に必要になります。サイトを構築している人であればほぼ必須なので、新たに用意する必要はほとんどないと思います。
プラグインは幾つか必要ですが、後に紹介します。
DL販売をする2つの方法
簡単な方法:"Stripe Payments"の利用
カート機能などショッピングサイトとしての体裁がない状態で良ければ、プラグイン1つでDL販売ができます。
メリット
- サイトの外観を変えずに使えること
- 支払い手順が簡素
- 一応物販にも対応している
デメリット
- カート機能などが無い
- 複数ファイルのDL販売に対応していない
- クレジットカード決済のみ対応
本格的な方法:"WooCommerce"を利用する
WooCommerceのプラグインを導入することで、ショッピングカート機能、顧客の管理、マイアカウントページなど、本格的なショッピングサイトとしての機能をもたせることができます。
メリット
- ショッピングサイトとしての機能が揃っている
- 複数ファイルのダウンロード販売に対応
- PayPalやApple Payが使える
デメリット
- テーマによってはレイアウトが合わない
- 設定が面倒くさい
- 購入までに入力する情報が多い
WooCommerceを利用するのであれば、最初からこれに対応したテーマを導入すべきですね…
現在使っているテーマ(Diver)では上手く表示されないため、ショッピングサイトだけ別のテーマを導入しています。
※テーマを変えてWooCommerceに完全対応しました。
サイトの設定をいじった所
広告表示
当サイトは広告収益を得るためにGoogle AdSenseを導入しています。しかし、販売サイトにまで広告が表示されてしまうのはあまりよろしくないと考えているため、ページを指定して広告を表示しないという設定が必要になります。
まぁ、これについては販売ページで使われるURLが分かれば、1つずつGoogle AdSenseの設定で非表示にすれば良いんですけどね…
テーマの個別設定
最初からECサイトとして運用するのであれば、WooCommerce対応のテーマを利用すべきでしたが、現在のブログではそれを導入してしまうとレイアウトがかなり崩れてしまいます。ブログを優先するか、ショッピングサイトを優先するか…という問題があります。
それをある程度解決するために利用したのが、"Multiple Themes"というプラグインです。
これを使うことで、固定ページ毎や特定のURLが含まれたページにのみ別のテーマを適用することができます。私の場合は、ショッピングサイトページにのみWooCommerceが提供しているテーマを使っています。
※現在WooCommerce対応のテーマに変更したため、Multiple Themesは使用していません。
メディアのアップロード制限を回避する
WordPressに大きい容量のファイルをアップロードするのはちょっと面倒です。
サーバー側の設定をいじればある程度操作できますが、それよりもFTPクライアントからアップしたほうが楽です。と言っても、FTPクライアントからアップしたメディア(写真や動画、PDF)はWordPressのメディア一覧に表示されないため、ダウンロードリンクを作ることができません。
それを解決するのにプラグインの"Media from FTP"を使いました。
これさえあれば、事実上動画のアップロード上限が無くります(サーバー容量の上限まで)。試しに2GBのファイルをアップしてみましたが、問題なく機能しました(゚∀゚)
まとめ
- ブログをECサイト化するのは超面倒
- ECサイトでブログを運用したほうがマシ
ブログにECサイト機能を導入しようとしたのが間違いだったかなと…ドメインを変えたくなかったので無理やり導入してみましたが、最初からECサイトを目的に作った方が短時間で完成度の高いサイトが作れたと思います…