催眠術についての投稿はブログを含めて幾つかしてきましたが、催眠術の基礎とか基本みたいな部分には触れてきませんでした。

元々、催眠術をやっている人向けだったこともあり、それくらい知ってるっしょ!くらいのノリで、もし知らなくても自分で調べるくらいのことはするだろうなと…

ただ…日本で開かれている催眠術セミナーや本屋で売られている大部分の書籍には、催眠術の基本的な考え方が全く紹介されていないものが殆どなのが現状であるため、そもそも情報が手に入らないという問題があります。

日本の催眠術師の多くが、3つある考え方の1つだけをベースにしているのはまだ良いのですが、その中でもとりわけ古い情報、70〜120年前に使われていた手法を未だに催眠術の理論として使い続けているケースが少なからずあります(特にメディアに出ている人が出している著書や催眠術の極意云々を語っている書籍などで)。

単純に催眠術を掛けるだけであれば、120年前の手法でも使えますが、理論が全く分からないまま運用することになるため、応用が全く効きません。

特にハマる人にはハマる。でも、それは全体の1/4かそれ以下の割合です。これはこれで、ショー催眠など大勢の観客がいる中で特に掛かりやすい人を数名見つけるのであれば問題になりません。

催眠術自体が元々デモンストレーションとして観衆の前でやることで広まってきたものですし、テクニックもショーやパフォーマンスを前提とした物が多いのも自然な流れです。

催眠術の祖と言われる、フランツ・アントン・メスメルも当時の伝道師がデモンストレーションでやっていた催眠術を見て真似したに過ぎません(メスメルの活動は、後にジェイムズ・ブレイド医師による催眠術の開発をもたらしたので、そこは評価はされている)。

催眠術や動物磁気なんて名前が付く遥か以前からパフォーマンス形式の催眠術は行われてきましたし、治療目的としても紀元前から催眠術に似た手法が使われていた記録や逸話があります。

ショー催眠のような大雑把でテンプレート的な手法では運任せな要素がかなりあるため、対個人の催眠には向いていません。既に述べたように、テンプレートだとハマる人にしかハマりません。

安定して催眠術を行使したいのであれば、まず理論を知り、適切な手法を知り、相手に合わせてそれらを運用する技術が必要になります。

しかし、ショーで使われてきた古典的な手法しか知らない人が「催眠術教えます!」「催眠術はこうやります!」なんて言ったところで、習得できるのはテンプレートに頼った運任せな手法になります。例えるなら、占い師になりたい人に血液型占いの本だけを渡すようなものです。

それでも「1/4」くらいは成功してしまうのが催眠術なので、それで出来るようになった人は「この方法は正しい!だから、この理論も正しいんだ!」となるわけです。

さて、前フリだけで既に1000字近く使ってしまいましたね…

催眠術をやるにあたって最低限知っておくべき、3つの基本的な考え方があります。正確には2つと1つなのですが、この辺は後ほど…

もう少し脱線…(ぉぃ)

日本の術師は基本理論が結構ごっちゃ混ぜになっているな…と思うことを軽く…

一番有名なのは「催眠術は掛かれば掛かるほど掛かりやすくなる」とか「催眠術を繰り返すことで被暗示性が高まる」という主張です。

日本の催眠術師は基本的に「トランス状態」や「変性意識状態」という言葉をよく使います。これは状態論と呼ばれる考えであり、この状態論において被暗示性は「生来のもので、催眠を繰り返しても高まることはない」と考えられています。

つまり、催眠術を繰り返しても掛かりやすくなるのは状態論的な考えから外れているわけです。

学習によって催眠術により掛かりやすくなるのは非状態論と呼ばれる考え方になります。そして、非状態論は「催眠状態」と「変性意識状態(≒トンランス状態)」の存在を否定しているため、この理論で催眠術を語る場合、これらの言葉は使われません。

つまり、「トランス状態」とか「変性意識状態」を原理として説明する人が、「被暗示性が高まる」とか「繰り返すことで掛かりやすくなる」と主張するのは、そもそも理論について大して理解していない可能性が高いと言えます。

さて、いい加減に話を本筋に戻しましす…

紹介する最初の2つは、状態論と非状態論についてです。3つ目はその両者のそれぞれの矛盾を補う形で生まれた仮説になります。また、最後に現代的な理論から導き出される効率の良い催眠誘導について軽く触れています。

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