ワンダライズドの感想

旧ブログで書いた内容+αくらいですが、恐らく最近こちらのサイトを見始めた方は旧ブログを知らないと思うので、リサイクルします(^ρ^)

“トミー・ワンダー ワンダライズド”

人生で最初に買ったレクチャーDVDで影響はかなり大きいと最初に言っておきます。

かれこれ10年近く前に買って、このレクチャーを見てマジックについて少し考えるようになりました。これを見るまでは、何となくカードマジック事典や入門書のマジックを覚えて、練習して、手順どおりのルーティンをただ披露していくだけのことをやっていました。

当時はスライハンド至上主義…とまではいきませんが、「スライハンドで出来るマジックが便利で最高!」って考え方はありました。スライハンドで達成できる現象なら、わざわざギミックを使う必要はないと考えていたので、今とは正反対ですね…/(^o^)\

前置きが長くなりました…

内容について

この、”ワンダライズド“ですが、タネやルーティンの解説は少なめで、演技理論よりのレクチャーです。

ルーティンの解説は少ないと言っても、

  • サインドカード・トゥ・ボックス
  • 指輪と時計と財布

この2つの超名作が解説されていますがね…(^o^)

一番最初の解説のパートで、マジックを演じることについて以下のようなことが語られていました。

印象的な言葉

「…何がしたいのか分からない。これをやる理由があるとすれば、ただ単に”できるから”。だから何だ?」

「シルクの色を変えてもすぐ捨てるなら、初めから使うなと言いたい。」

「マジシャンは理由もなく現象をおこしてしまいがち」

「大事なのは感情を入れた演出」

「演劇の何がそんなに人々を引きつけるのか?様々な葛藤に悩む人間とそこに渦巻く様々な感情です。マジックもしてないのに客が入るのですから、そこに何かあるはずです。今も昔も人々の心を掴むのは、”感情”と”葛藤”の物語です。マジックに組み込めばもっと面白くなるはずです。」

どうですか?耳が痛くなりませんか?

当時の私は、出来るマジックをとりあえずやる人に該当したので、反省しました(^ρ^)

まぁ、今は感情を入れた演出が出来てるのか?と言われたら微妙な感じですが、それはそれ、これはこれです(ぉぃ)

また、マジックを始める前の段階の話で、

  • パーティーに参加しているとき、どのようにマジックを始めたら良いか
  • 人の集まりで、自分からマジックをし始めるということが、如何に愚かで効率が悪いか
  • テーブルホッピングをする場合、リセットの簡便さが如何に重要か

なんてことが語られていて、当時はパーティーやホッピングが多かったのでかなり参考になっていました。

リセットの簡便さは今でもネタを選ぶ基準の1つだったりします。(プライベートなパーティーでマジックをする時のアイディアなので、主催者の依頼でマジックをする場合はまた別です)

ミスディレクション

他に印象的だったのは、トミー・ワンダーがやるミスディレクションに対する考え方でした。彼のやり方は、「何か他の場所を示して、観客の注意や視線をそこに集める」タイプではなく、ほとんど動かずに観客の視線や意識を散らすというタイプのものです。人間の性質を利用したもので、私は今もこの影響を受けています。

ジェームズ・ブラウンとは真逆のアプローチですが、それぞれ強みが違うので、どちらも知っておいて損はないと思います。(ジェームズ・ブラウンのレクチャーからも結構な影響を受けています)

サインドカード・トゥ・ボックスの解説ではマーキュリー・フォールドを更に小さく畳むための方法が解説されていて、人によってはかなり役に立つのではないかと思いますが…この解説で一番気になったのは…

「トミー・ワンダーはブリッジ・サイズのカード使ってるじゃん!!!」ってことですね(゚∀゚)

トミー・ワンダー曰く、「トリックをする上で使いやすいものを選ぶべき」だとか…欧米のプロマジシャンでもブリッジ・サイズを使うってのは中々に衝撃的でした(環境的にブリッジサイズのカードが入手しにくかったのもありますが!)

最初に書いたとおり、演技理論についての話が多く、演出、オフビートのつくり方、視線の外し方、ミスディレクションに対する考え方がメインと言っても問題ない内容です。また、ルーティンの解説を聞くと一種のピタゴラ装置の様な、それぞれの要素が上手く噛み合っていて、実演を観て面白いし、さらに解説を見るとスッキリして2度美味しい…という感想が出てきます(私だけか?)

この人、ここまで考えてマジックを作っているんだ…と今も思いますし、色々とインパクトがあったレクチャーでした。


トミー・ワンダーの実演と解説をもっと見たいという方は、「ビジョンズ・オブ・ワンダー」というレクチャーがオススメです。トミー・ワンダーの名作がほぼ解説されているんじゃないですかね?

唯一の問題は…結構な工作力が必要です。というか、工具のある無しというより、専用の工房か、工場にツテがないと無理なのでは?ってのがチョイチョイあります。それとトミー・ワンダーのルーティンは準備が必要なものが多いので、デック1つでなんでもしようと思ってる人にはあまり向きません。(準備は必要ですが、観ている方からしたら即興的にみえることもあります)

逆に言うと周到な準備をした上で披露するタイプの人にはかなりオススメできます。まぁ…そんな人は既に見ている可能性の方が圧倒的に高いのですが…

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