Craftsman Deck 販売中

HYPNOSIS

催眠について

日本で手に入る一般書のほとんどが70~120年前のアプローチ(古典催眠)を基に書かれており、世界的に見たら理論も方法も時代遅れなものが主流となっているのが現状です。ただ古典的アプローチは原理や理論は既にほとんどが使えませんが、掛け方そのものは現在も通用するものがあるので、参考までに知っておくべきだと私は考えています。

また、速度が重視されるショー催眠では古典的アプローチで使われる一部の技術が、見た目、速さという部分で現代的アプローチよりも優位性があります。

信頼できる書籍の選び方としては過度に「トランス」という言葉が入っていないもの(エリクソン関連除く)、「変性意識状態」が催眠誘導に必要が無いことについて言及されているものを選ぶとハズレが少なくなります。どちらも現代催眠では既に強調されていない、使われていない概念です。

残念ながら自信を持って「これだっ!」とオススメできる資料は現状ありませんが、Amazonで入手できるものを幾つか紹介します。


現代の催眠

The Oxford Handbook of Hypnosis
(Oxford Handbooks)

洋書のため読むのが大変ですが、現状最も信頼できる書籍の1つです。

オックスフォード大学の出版社による催眠術のハンドブック(手引書)。催眠術について全面的な知識を得ようと思うならこの本がベストだと言われています。

後半から催眠療法についての内容がメインとなり、途中でエリクソンの手法についても項目があります。また、催眠の研究の歴史や2000年初期までの成果についてもよくまとまっています。「変性意識状態」が既に適切でない概念としてメスメルの動物磁気説と同じくらいのリスクが有ると書いてあったり、トランスは古い概念で催眠誘導とは全く関係ないと言われていたり、古典催眠の知識しか無い人には驚くべき内容が多々含まれています。


古典催眠 / ショー催眠

スーパーベーシック催眠導入
(著:林貞年)

催眠術の掛け方の基本ついてよくまとまっています。
理論に関しては古く、誤りの可能性が高いものが多いので、掛け方の参考程度に読むと良いかと思います(例えば「トランス」という言葉は現代催眠では基本的に使われないですし、変性意識状態が催眠の本質であることも現在では否定されています)


エリクソニアン・アプローチ
Ericksonian Approach

日本ではエリクソンの催眠を「新催眠」や「現代催眠」と呼ぶ傾向がありますが、エリクソンの催眠が新しかったのは70年も前で、海外では既に古典扱いです。

また、エリクソンは臨床記録を正確に取っていなかったことも判明しているので、「こんな方法もあるんだな」と参考程度に見ることをオススメします。幾つかのテクニックは現代にも残る大変画期的なものですが、幾つかのテクニックは存在そのものが怪しいので、やはり参考程度に見るのがベストです。

ミルトン・エリクソンの催眠療法入門
(著:W.H.オハンロン , M.マーチン)

タイトルの通りエリクソンの催眠療法入門。
エリクソン催眠の基本的な方法について書かれた本。誘導率をあげるためにも使えるので気になる人は一度目を通しておくと良いかと思います。

 

ミルトン・エリクソンの催眠の現実
(著:ミルトン・H・エリクソン, アーネスト・L・ロッシ)

比較的最近出た本で、エリクソン催眠に関して最も出来の良い本の1つ。
ただし、文章が直訳的過ぎますし(翻訳者曰く原書を読み進める際の参考として使うのを目的としている)、上述の入門書等を読んでいないと難解な部分があるので、ある程度エリクソンに興味があり、基本的な用語を知っていて更に詳しく学びたい方向けです。

帯に「入門」と書かれていますが、出版社が作ったもので翻訳者などは入門書と言う認識はありません。専門書です。


催眠術そのものについて

催眠の謎
(著:マイケル・ストリーター)

ジャーナリストが催眠術について書いた本。催眠術師ではないからこそのフラットの視点と、綿密な調査に基づく歴史や催眠についての考察は興味深いです。
問題点があるとすれば調査が2002年頃の変性意識説が否定される前までのため、やや状態論的な考えで書かれていること、最後の付録にあるスクリプトの有用性が未知数であることが挙げられます。
私はこの本でタイガー・ウッズに専属の催眠術師ついていることを知りました。